目次
プロローグ
静かな図書館は、心を落ち着かせる場所――そう思いますよね?しかし、深夜に返却された本には、思いがけない「何か」が隠れていることがあるのです。
本文
主人公の莉子(仮名)は、地元の大学に通う学生だった。試験前の夜、彼女は学校近くの図書館で借りた資料を返却するため、閉館間際の図書館に向かっていた。図書館は夜21時まで開いているが、誰もいない時間帯はひっそりと静まり返り、不気味さが漂う。
莉子が返却ポストに本を入れようとすると、ポストの奥から微かな音が聞こえた。それは、何かが擦れるような音だった。
「本の山が崩れてるのかな?」
莉子は気にせず本をポストに入れたが、その瞬間、背後から囁き声が聞こえた。
「返さないで……」
彼女は驚き、振り返ったが、そこには誰もいない。ただ静寂が広がっていた。
謎の本
翌日、莉子は図書館に行き、借りた資料がきちんと返却されているか確認した。しかし、図書館員に尋ねると、返却ポストには彼女が返した本が「入っていなかった」という。
「そんなはずはないです。昨夜確かに入れました!」
不思議に思った莉子がポストを確認しに行こうとすると、図書館員が一冊の古びた本を持ってきた。それは莉子が借りた覚えのない、見たこともない本だった。タイトルには、文字が薄れて読めなくなっている部分が多いが、唯一読めたのは「借り手の運命」という奇妙なフレーズ。
「これが返却ポストに入っていたんだけど……心当たりはある?」
莉子は首を振り、恐る恐る本を開いた。しかし中身は真っ白で、何も書かれていなかった。ただ、ページをめくるたびに耳元で小さな声が響くような気がした。
「どうして返したの……?」
真相への手がかり
莉子は図書館の常連だった友人に相談した。すると、友人はある噂を語り始めた。
「昔、この図書館で返却ポストに本を入れた学生が、その本に“取り憑かれる”って話を聞いたことがある。返した本が見つからない代わりに、代わりの“奇妙な本”が現れるんだって。」
その本を読み進めるうちに、奇妙な本がどうしても気になり、次第に精神を侵されてしまうとか……。
莉子はその話を信じたくなかったが、その夜も奇妙なことが起きた。家に帰り部屋の電気をつけると、机の上にあの古びた本が置いてあったのだ。
結末
莉子は何とかして本を処分しようと、近くのゴミ捨て場に捨てた。しかし翌日、図書館から連絡が来る。
「お返ししていただいた本について確認があります。この本、机の上にありましたよね?」
電話の向こうから聞こえた図書館員の声が、どこかおかしい。そして背後には、またあの囁き声が――
「返さないで……」
莉子はその後、図書館を利用することができなくなった。しかし、彼女の家の本棚には、なぜか新しい「奇妙な本」が増えていくようになったという。
エピローグ
もし図書館で借りた本を返却ポストに入れるとき、不思議な音や声を聞いたら注意してください。それは単なる気のせいではないかもしれません――。
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