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山に住む謎の生物に関する調査書類 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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田中雄介は、倉庫での書類整理中に、一通の厚手の封筒を発見した。その封筒には「〇〇山 生物調査報告書」と記されており、古いタイプライターで打たれた文書が中に収められていた。調査書類の形式でまとめられており、どうやら山の洞穴に住むとされる未確認生物についての記録らしい。

封筒を開け、内容に目を通し始めた雄介は、その生物がどのようなものなのか、少しずつ興味を引かれていった。

山に住む生物に関する調査書類

調査対象:〇〇山の未確認生物
調査期間:昭和48年9月15日~昭和48年10月15日
調査地点:〇〇山 山腹の洞穴周辺
調査員:K.T.、M.S.

調査背景

〇〇山周辺では、数十年にわたり「奇妙な泣き声」が夜間に聞こえるという報告が住民から寄せられている。この泣き声は、獣とも鳥とも判別がつかない特徴を持ち、その音源が山腹の洞穴周辺に集中しているとのこと。住民たちはこの現象を「山の怪」と呼び、不気味がって山へ近づくことを避けている。

本調査は、この未確認生物の実態を明らかにするために行われた。

生物の特徴(推測)

調査の過程で、生物そのものの姿を目撃することはできなかった。しかし、これまでの証言や収集した情報から、以下のような特徴が推測される。

(1) 泣き声
夜間に「ぐおーーーー」や「ぎぃぎぃぎぃーーー」といった大きな声で鳴く。
声の大きさと響きから、体の大きな生物である可能性が高い。
泣き声は低音の時、また高音の時もあるようだ。

(2) 生態
完全な夜行性であり、昼間は洞穴の奥深くで休息していると推測される。
餌の種類は不明だが、周囲の動物の行動パターンに変化が見られることから、捕食性の可能性がある。
泣き声の発生地点が定まらないため、洞穴から移動して活動していると考えられる。

調査の記録

(1) 初日の記録(9月15日)
調査員は山腹の洞穴周辺に到着。洞穴は直径2メートル以上あり、内部は深く、完全に暗い。洞穴の入口周辺には動物の足跡が多く確認されたが、特定の生物に絞り込むことはできなかった。

その夜、洞穴付近で待機していると、遠くから「ぐおーーーー」という低く長い泣き声が聞こえた。泣き声は約10分間続き、その後は静寂が戻った。洞穴から出入りする気配はなかった。

(2) 中盤の記録(9月25日)
夜間の観察中、「ぎぃぎぃぎぃーーー」と甲高い泣き声を確認。泣き声は山の上部から聞こえてきたように感じられたが、音源の位置が一定せず、調査員の周囲を巡るような不気味な感覚を覚えた。

翌朝、洞穴の周囲を再度調査したところ、地面に大きな爪跡のようなものが発見された。その大きさから考えると、イノシシや熊よりもさらに大きな生物である可能性が示唆される。

(3) 調査終盤の記録(10月10日)
泣き声の頻度が高まり、特に深夜1時から3時の間に集中していることが判明。調査員は洞穴の奥へ進むことを試みたが、10メートルほど進んだ地点で強い獣臭が漂い、これ以上の進入は危険と判断された。洞穴内部に痕跡は見られず、生物が定住しているのか、移動しながら活動しているのかは不明のままとなった。

地元住民の証言

証言1:50代男性
「夜に山から聞こえる泣き声は、子供の頃から耳にしている。昔は怖くて近づけなかったが、大人になっても同じだ。泣き声を聞くと、どこか不安になる。」

証言2:70代女性
「父が若い頃、山の中で何かに追いかけられたと言っていた。そのとき『ぐおーーー』という声が近くで聞こえたらしい。結局、何も見えなかったそうだけど、あの洞穴には近寄るなと言われて育った。」

証言3:40代男性
「夜釣りをしているときに、山の方向から奇妙な声を聞いた。魚が急に騒ぎ出して、まるで何かから逃げようとしているみたいだった。声を聞いたのはその一度きりだが、今でも鮮明に覚えている。」

調査の結論と今後の課題

この調査では、未確認生物の姿を確認するには至らなかったが、以下の点が重要な発見といえる。

泣き声が頻繁に聞かれる場所は、洞穴を中心とした特定の範囲に集中している。
生物の存在を示す痕跡(爪跡や泣き声)が複数回確認されている。
泣き声が持つ不気味な特性は、生物の未知の習性や生態を示している可能性がある。
さらなる調査には高性能な録音・撮影機器が必要であり、生物の痕跡を追跡するための慎重な準備が求められる。

注意事項

洞穴への進入は危険であり、慎重に行動すること。
泣き声を聞いた際は、音源に近づかず、その場を離れることを推奨する。

読み終えて

田中雄介は、調査書類を閉じ、ふと背中に冷たい感覚を覚えた。内容には生物の姿そのものは記されていなかったが、泣き声の描写や爪跡の記録が妙にリアルで、想像を掻き立てられるものだった。

雄介はこの書類を「未確認生物・山岳調査資料」として分類し、慎重に棚に戻した。その後も作業を続けたが、山奥から聞こえる「ぐおーーー」という泣き声が頭の中に響いて離れなかった。



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