目次
プロローグ
郵便物が届くのは通常昼間だ。しかし、もし深夜にポストに手紙が投函されているとしたら、あなたはどう思うだろうか? これは、そんな奇妙な体験をした女性、彩香(あやか)の話である。
第一章:深夜の郵便
30代の独身女性、彩香はマンションの一人暮らしに慣れていた。日中は会社勤めで忙しく、帰宅はいつも22時を過ぎる。ある日、仕事から帰宅すると、ポストに一通の封筒が入っていることに気づいた。
封筒には宛名も差出人もなく、表面は真っ白だった。不思議に思いながらも、特に気にせず家に持ち帰った彩香は、それを開けてみた。
しかし、中身は空だった。
「悪質ないたずらかな?」
その夜は気味悪さを感じながらも、疲れていたため、そのまま眠りについた。
第二章:封筒の連続
翌日も、彩香のポストには同じ白い封筒が入っていた。前日と同様に宛名も差出人もなく、中身も空だった。それが3日、4日と続くうちに、彩香は恐怖を感じ始めた。
「誰がこんなことをしているの? それに、どうして毎晩届くの?」
疑問を抱きつつも、ポストの前に防犯カメラを設置することにした。
第三章:見えない配達人
翌朝、彩香は防犯カメラの映像を確認した。深夜2時頃、ポストの前に人影が映っている。しかし、その影はぼんやりとしていて顔や服装の詳細は分からない。
さらに奇妙なことに、その人影はポストに近づいた瞬間に消え、次のフレームでは封筒が投函されていたのだ。
「一体何なの……?」
恐怖を感じた彩香は警察に相談したが、明確な犯罪行為が確認できないため、動きようがないと言われてしまった。
第四章:封筒の中身
ある夜、ポストを確認すると、いつもの白い封筒ではなく、やや黄ばんだ古い封筒が入っていた。宛名には、かすれた字で「吉田彩香」と書かれていた。
「私の名前……?」
彩香が震える手で封筒を開けると、中には一枚の写真が入っていた。写真には、見覚えのある部屋――自分の寝室が映っていた。そして、その隅には、黒い人影がぼんやりと立っているのが写っていた。
第五章:過去の因縁
その写真を手に、彩香は母親に相談することにした。すると母親は驚いた顔でこう言った。
「その封筒、昔私の実家に届いてたものにそっくりだわ。」
母親の話によると、彩香がまだ生まれる前、実家では同じような白い封筒が何日も投函される出来事があったという。そしてその後、家族に次々と不幸が訪れた――母の兄が事故で亡くなり、父親が病に倒れたのだ。
「気をつけなさい。その封筒は、何か悪いものを呼び寄せるのかもしれない。」
第六章:最後の封筒
その夜、彩香は決意して最後の白い封筒を開けた。中には一行の文字が書かれていた。
「次はお前だ。」
その瞬間、部屋の電気が一斉に消え、背後から冷たい気配が迫ってきた。振り向いた彩香の視界に入ったのは、ぼんやりとした黒い影だった――その影は、深夜の防犯カメラに映っていたものと同じだった。
エピローグ
翌朝、彩香のポストには再び白い封筒が投函されていた。しかし今回は、中身に「吉田彩香」の名前が記された死亡通知書が入っていたという。
その封筒が何を意味するのか、そして彩香に何が起きたのか――真相を知る者は誰もいない。
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