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サラリーマンが見た“フリーランスの夢”の不思議な世界 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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激務の日々

私は普通のサラリーマンだ。いや、普通と言えるかどうか分からないほど、毎日忙しい。朝早くから夜遅くまで働き詰めで、ストレスは溜まる一方だ。

そんな生活の中、唯一の楽しみがある。それは、夜布団に入った後に想像する“フリーランスの生活”だ。

想像する自由な生活

目覚まし時計に急かされることなく、のんびりと起きる朝。近所の公園や遊歩道を散歩し、新鮮な空気を吸いながら気分を整える。

家に戻ったら、自分に合った在宅の仕事をこなす。忙しすぎるタスクはなく、自分のペースで進めることができる。

気ままに休憩を取り、美味しいコーヒーを淹れながら窓の外の景色を眺める――そんな生活を夢見て、いつも寝る前のひとときを楽しんでいた。

不思議な朝

ある日、いつものように布団に入り、フリーランス生活を想像して眠りについた。そして、次に目覚めた時、私は違和感を覚えた。

「……会社に行く準備をしなくていい?」

スマホを見てもアラームはセットされておらず、カレンダーに会議の予定もない。

代わりに目に飛び込んできたのは、机の上に置かれたノートパソコンと、隣に積まれた書類だった。その内容は、確かにフリーランスの仕事そのものだった。

理想の一日

試しに仕事を始めると、不思議とスムーズに進む。慣れないどころか、まるでずっとこの生活をしてきたかのように自然だった。

昼前には近所の公園へ散歩に出かけ、清々しい風を感じながら歩く。鳥のさえずりが心地よく、激務のストレスに苦しんでいた頃が嘘のようだった。

午後は気ままにコーヒーを淹れ、窓辺に腰掛けながら書類を整理する。夢に描いていた生活が、まさに現実になっていた。

疑問と違和感

しかし、その穏やかな生活の中で、ふと疑問が浮かんだ。

「……昨日、会社を辞めた覚えはないよな。」

さらに、不思議なことに家族や友人からの連絡が全くなかった。SNSも覗いてみたが、自分の投稿は一つも残っていない。

「これは一体……?」

夢か現実か

その夜、布団に入ると再び眠りについた。次に目覚めた時、私は元の生活に戻っていた。

会社のアラームが鳴り響き、メールの通知が止まらない。

「あれは夢だったのか……?」

そう思いながらも、夢の中のフリーランス生活の記憶は鮮明だった。

見つけたヒント

ふと、机の引き出しに目を向けると、そこには夢で使っていたノートパソコンと同じモデルのカタログが置かれていた。

「これは……偶然じゃない?」

もしかしたら、自分の理想の生活は、思い切って一歩踏み出せば手に入るのかもしれない――そんな気持ちが胸に芽生えた。



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