誰もが経験することだと思いますが、私も毎日のように迷惑メールを受け取っています。「当選しました!」とか「あなたの口座に振り込みます」といった、明らかに怪しい内容ばかりで、普段は即座に削除していました。しかし、ある日届いたメールだけは、なぜか私の心に引っかかったのです。
目次
奇妙な迷惑メール
そのメールは、タイトルが「私を覚えていますか?」というものでした。送り主は見知らぬ名前。普通ならスルーするはずですが、メールを開くとその内容が妙に気味の悪いものでした。
件名:私を覚えていますか?
「久しぶり。あなたにどうしても伝えたいことがあるの。昔、一緒に遊んだ記憶を覚えている?返信してくれたらすぐに教えるわ。」
メールに添付ファイルはなく、内容も簡素でした。しかし、「一緒に遊んだ記憶」という文言が引っかかり、思わず返信してしまいました。
「どなたですか?私は覚えていないのですが。」
送信した直後、すぐに後悔しました。返信するなんて普通じゃない。何をしているんだ、と自分を責めました。
返信への返事
驚いたことに、返信を送ってから数分後、返事が返ってきました。
件名:あなたの家の前で
「やっぱり覚えていないんだね。でも大丈夫。私は覚えているから。あなたが〇〇(私の苗字)家の前で私を無視したこと。」
その文を読んで、背中に冷たいものが走りました。確かに「〇〇家」は私の家の苗字。しかし、そんなことを知る人はいないはずです。迷惑メールだと思い込み、「適当な苗字を拾って送ったのだろう」と無理に自分を納得させました。
ただ、もう一つの違和感が残りました。「無視したこと」とは何を指しているのか。
メールがエスカレートする
その後、メールは毎日届くようになりました。内容は次第に具体的になっていきました。
件名:黄色い服
「私を無視したのは、あなたがあの黄色い服を着ていた日のこと。覚えているよね?学校帰りだった。」
黄色い服――確かに私は中学生の頃、黄色いカーディガンをよく着ていました。その記憶が蘇り、嫌な予感がしました。差出人が私の過去を知っている。どうして?
さらに数日後、メールの内容はますます不気味さを増していきました。
件名:〇月〇日
「あの日、あなたが振り返らなかったせいで、私のことを覚えていないのよ。でも大丈夫。今でも私はあなたのそばにいるから。」
メールに記載されていた日付は、私が中学生時代、友人と帰宅途中に道端で何かが起きた記憶と一致していました。ただ、その「何か」が思い出せないのです。
最後のメール
ある日を境に、そのメールが急に止まりました。しかし、最後に届いた一通のメールは、今でも私の心に深く刺さっています。
件名:私のことを忘れないで
「もう何も言わない。でも、あなたがいつか思い出してくれると信じている。私はここにいるよ。」
その後、何度メールボックスをチェックしても、その送り主からのメールは二度と届きませんでした。調べてもメールアドレスの痕跡はなく、返信した記録すら消えていました。
そのメールの意味
迷惑メールのはずが、なぜあんなに具体的な内容だったのか。誰が、何のために送ったのか。未だに分かりません。しかし、時折ふとした瞬間に感じる「誰かに見られている気配」は、あのメールを思い出させます。
もし、あなたにも「興味本位で返信してみたい迷惑メール」が届いたら――その先に何が待っているかは、誰にも分かりません。
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