スピリチュアルな話は信じていなかった私が体験した、奇妙で不思議な出来事をお話しします。
家族を守るために何か「見えない力」が働くことがあるとしたら――そんなことを考えさせられた、あの日の出来事です。
目次
突然倒れた写真立て
ある夜、仕事を終えてリビングでのんびりしていた時のことです。
「バタン!」
棚に飾っていた家族写真の写真立てが突然倒れました。誰も触っていないのに、まるで意図的に倒されたような音でした。
「何だよ……」
少し気味が悪いながらも、写真立てを元に戻しました。そして、ふと気づいたんです。
写真に写る妹――年の離れた高校生の妹の部分だけ、少し色が薄くなっていることに。
「気のせいだろう……」
そう自分に言い聞かせましたが、妙な違和感は拭えませんでした。
妹の部分だけが色あせる
次の日、また写真立てが倒れました。
「またか……」
不思議な気持ちで写真を見直すと、やはり妹の部分だけがさらに色あせています。他の部分――父や母、私の部分は普通なのに。
これは単なる経年劣化ではない。そう思わずにはいられませんでした。
私は母に電話をかけました。
「ねえ、写真立てが倒れて、妹の部分だけ色あせてるんだ。これって何かの警告かもしれないから、妹に気を付けてあげて。」
「何それ、気味悪いこと言わないでよ。」
母は軽く笑い飛ばしましたが、その時の私の声が少し震えていたのか、「わかったわ」とだけ言って電話を切りました。
繰り返される倒れる写真立て
しかし、その後も写真立ては倒れ続け、妹の写っている部分はどんどん色あせていきました。
次に母に電話をした時、私はさらに強い口調で訴えました。
「妹を病院に連れて行って! 人間ドックでもいいから、何でもいいから! これ、何か悪いことの前触れかもしれない!」
「またそんなこと言って……」
母は最初は冗談だと思っていたようですが、私があまりに必死な様子だったため、ようやく重い腰を上げてくれました。
人間ドックで見つかった病気
母は妹を連れて人間ドックを受けさせました。
数日後、母から電話がかかってきました。
「……ありがとう。本当にありがとう。」
妹に初期の病気が見つかったのです。進行すれば命に関わるものだったそうですが、早期発見だったため治療が間に合い、無事に回復する見込みだと言います。
「本当に助かった。あなたが言ってくれなかったら、きっと気づけなかった。」
母の声は涙で震えていました。
写真立てが倒れなくなった日
妹の病気が見つかり、治療が始まったその日から、不思議と写真立てが倒れることはなくなりました。
写真を見ても、色あせていた妹の部分が元に戻っているように見えました。
あの現象が何だったのか、今でも分かりません。けれど、あれが私たち家族に「警告」を伝えるためのものだったとしたら――その力に感謝するばかりです。
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