怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

庭に掘った「謎の穴」が繋がる先 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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あなたは庭に穴を掘ることがありますか?植木を植えたり、何かを埋めたり。
日常的な作業に思えるその行為が、まさか自分の生活を変えることになるとは、想像もしていませんでした。

これは、ある平凡な一軒家の庭で起こった奇妙で怖い体験の話です。

穴を掘り始めたきっかけ

その日、私は家の庭でガーデニングをしていました。新しく購入した木を植えようと、スコップを持って穴を掘り始めたのです。

庭の土は少し硬くて掘りにくかったものの、作業に集中していると無心になれる感覚が心地よく、黙々と掘り続けました。

10分ほど経った頃、スコップが何か硬いものに当たりました。

「石かな?」

最初はそう思いましたが、掘り進めると、それは石ではなく、古びた木箱でした。

木箱の中身

木箱を取り出してみると、かなり年代物で、釘が外れて壊れかけていました。

「なんだこれ……」

興味本位で箱を開けると、中には色あせた写真と古い手紙が数枚入っていました。

写真には笑顔の家族らしき人々が写っていましたが、奇妙だったのはその背景――私の家の庭だったのです。

「ここで撮られた写真……?」

さらに手紙を読んでみると、こう書かれていました。

「この箱を開けた人へ。この庭には、決して掘ってはならない場所がある。」

一気に背筋が寒くなりました。

謎の掘ってはならない場所

その文面に続いて、庭の簡単な地図が手書きされていました。地図には「×」印がついた場所があり、そこには「掘るな」と大きく書かれています。

好奇心が抑えられず、私は地図を手に庭を歩き、示された「×」の場所を確認しました。

そこには何の変哲もない花壇がありました。しかし、何か引き寄せられるような感覚があり、私はスコップを手に再び掘り始めました。

不気味な発見

掘り進めると、すぐに土の中から奇妙なものが現れました。

それは、大きなガラス瓶でした。瓶の中には、何か黒い液体とともに、人形のようなものが詰められていました。

「何だこれ……!」

その瞬間、背後から風もないのにざわざわと木々が揺れる音が聞こえ、辺りが急に冷え込んだような感覚に襲われました。

恐ろしくなり、私は瓶を埋め直し、何事もなかったかのように土を戻しました。

その後の奇妙な出来事

それからというもの、庭に出るたびに得体の知れない視線を感じるようになりました。

また、夜になるとリビングの窓越しに庭を見た時、花壇のあたりに人影のようなものが立っている気がするのです。

「気のせいだ……」

そう自分に言い聞かせましたが、次第にその影は近づいてくるようになり、ある夜、とうとう窓のすぐ外に立つ姿を目撃してしまいました。

その影は、写真に写っていた家族の父親の顔にそっくりだったのです。

結末

私はついに耐えきれず、花壇を完全に壊し、あの場所をコンクリートで埋めました。

すると不思議なことに、それ以来視線や影を感じることはなくなりました。

しかし、今でも庭に出るたび、あの手紙の言葉が頭をよぎります。

「この庭には、決して掘ってはならない場所がある。」

掘るべきではない場所を掘ってしまった代償――それが何だったのかは、今でも分かりません。



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