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深夜の公衆電話――鳴り続ける着信の先にある恐怖 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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深夜、公衆電話からかかってきた着信に出たことはありますか?
今回は、思わず背筋が凍るような、公衆電話にまつわる怖い話をお届けします。

突然の着信音

主人公の男性は、30代の会社員。
その日も仕事で遅くなり、終電間際の電車に飛び乗って帰宅していました。

最寄り駅から自宅までは徒歩10分ほど。静かな住宅街を歩く道中で、ふと耳にしたのは「プルルル……プルルル……」という電話の音でした。

それは道端にある古い公衆電話から鳴り響いていました。

「こんな時間に誰が?」

時計を見ると、深夜0時を過ぎたところ。公衆電話が鳴ること自体が珍しいため、気になって立ち止まります。

出てしまった電話

気味が悪いと思いつつも、電話の音が途切れることなく鳴り続けるため、とうとう受話器を取ってしまいました。

「もしもし?」

返事はありません。代わりに、かすかな「ザー……ザー……」というノイズが聞こえるだけでした。

「何だこれ、悪ふざけか?」

受話器を戻そうとしたその瞬間――声が聞こえました。

「聞こえていますよ……」

不気味な会話

驚いてもう一度耳を澄ませると、先ほどの声が続けます。

「帰り道、気を付けて……そこ、危ないから。」

男性は思わず周囲を見渡しました。誰もいません。ただ、真っ暗な道と静まり返った住宅街が広がるばかりです。

「誰だ?何の冗談だ!」

そう問い詰めても、返事はありません。代わりに、電話口の向こうで笑い声のようなものが聞こえました。

「だから……危ないって言ったのに……」

襲いかかる恐怖

気味が悪くなり、受話器を叩きつけるように戻してその場を離れました。

早足で家に向かう途中、背後で人の気配を感じました。振り返っても誰もいません。

しかし、再び歩き出すと、後ろから何かがついてくる音が聞こえます。

「カツ、カツ、カツ……」

まるで自分の歩調に合わせて足音が鳴っているようでした。

再び鳴り響く公衆電話

家まであと数分というところで、再び背後から「プルルル……プルルル……」という音が響きました。

振り返ると、そこには先ほどの公衆電話が見えます。しかし、ここまで歩いてきたはずの距離を考えると、ありえない場所にその電話ボックスが立っているのです。

電話は鳴り続けています。

朝を迎えて

翌朝、その日は休日だったので、昨日の出来事を誰かに話そうと思い、駅近くの交番で公衆電話について尋ねました。

「この辺りに、古い公衆電話なんてありましたっけ?」

すると警察官は、奇妙そうな顔をして言いました。

「その場所、昔、公衆電話があったみたいですけど、もう10年以上前に撤去されていますよ。」

心臓が凍りつくような感覚を覚えながら、その日はそのまま帰宅しました。

【まとめ】

夜道で見かけた公衆電話が鳴り続けていたら――あなたはどうしますか?
もし、受話器を取ってしまったら……その電話の向こうに、何が待っているかは誰にもわかりません。




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