親しい人を亡くした経験、ありますか?
今回の話は、亡き親友との奇妙な再会を果たした一人の男性の体験談です。
目次
通勤途中の古い公衆電話
主人公は30代の会社員。数か月前、長年の親友を病気で亡くしました。
あまりにも突然の出来事で、心の整理がつかないまま日々を過ごしていました。
そんなある日、いつも通勤に使う道端でふと目に入ったのは、古びた公衆電話でした。
「こんなところに電話ボックスがあったっけ?」
古臭いその電話ボックスは、まるで時間に取り残されたかのような佇まい。気にはなりつつも、特に使う用もなく、ただ横を通り過ぎる日々が続きました。
突然の衝動
ある日の朝、いつものように公衆電話の前を通りかかったとき、ふと奇妙な衝動に駆られます。
「親友の携帯番号に電話をかけてみよう。」
もちろん、親友の携帯が繋がるわけがありません。それはわかっていました。
「バカらしい。」
そう思いながらも、足は勝手に公衆電話へ向かっていました。
小銭を入れ、親友の番号を押すと、耳元でコール音が鳴り始めます。
電話の向こうの声
「絶対に出るわけがない。」
そう思っていたその瞬間――
「もしもし。」
聞き覚えのある声が聞こえました。それは、確かに亡くなった親友の声。
「……え?お前、なのか?」
電話の向こうで親友は、笑いながらこう言いました。
「おう、元気にしてるか?久しぶりだな。」
夢中で話し始めた主人公は、気づけば会社に遅刻しそうになり電話を切りました。
奇妙な習慣
それから主人公は、時々その公衆電話を訪れるようになりました。
親友に仕事の愚痴をこぼしたり、昔話に花を咲かせたり――まるで親友がまだ生きているかのように会話を楽しむ日々が続きました。
消えた公衆電話
そんな習慣が数週間続いたある日、主人公がいつものように公衆電話を訪れると、そこには何もありませんでした。
電話ボックスが消えていたのです。
「あれ?」
公衆電話があった場所を探し回っても、跡形もない。周囲の人に聞いてみても、皆一様に首をかしげるばかり。
「そんなところに公衆電話なんてなかったよ。」
忘れられない記憶
それ以来、親友との会話はできなくなりました。
しかし、主人公はあの公衆電話の存在を忘れることはありません。
「あの電話があったから、親友ともう一度話せたんだ。」
今でもその場所を通るたび、かつてそこにあった公衆電話を思い出します。そして、心の中で親友に語りかけるのです。
「お前、今どこにいるんだ?ちゃんと笑ってるか?」
【まとめ】
もし、あなたの目の前に不意に現れた公衆電話が、亡くした大切な人との会話を叶えるものだとしたら――あなたはどうしますか?
■おすすめ
マンガ無料立ち読み
1冊115円のDMMコミックレンタル!
人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】
人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】
ロリポップ!
ムームーサーバー
新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp
新品価格 |
ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ] 価格:1078円 |