怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

深夜に届いた謎のメッセージ 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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【プロローグ】

それは、いつもと変わらない夜だった。

私は一人暮らしの部屋で、スマートフォンを片手にダラダラとSNSを眺めていた。外は静まり返り、時計を見ると深夜2時を過ぎていた。そろそろ寝ようかと思ったその時、スマホが振動した。

「誰からだ…?」

こんな時間に連絡をしてくる相手はいないはずだ。通知を開くと、見知らぬ番号からのメッセージが届いていた。

「部屋の外に出ないで。」

【謎のメッセージ】

最初は悪戯だと思った。

知らない番号から届いたメッセージに心当たりはないし、意味も分からない。返信しようか迷ったが、無視することにした。

しかし、数分後、再びメッセージが届いた。

「お願いだから外に出ないで。」

胸の奥がざわついた。ただの悪戯にしては妙にリアルな言葉だった。

【異変の始まり】

気味が悪くなり、部屋のドアに目を向けた。

静まり返った部屋の中、ドアの向こうからかすかな音が聞こえる気がした。誰かが廊下を歩く音…いや、擦れるような音だ。

私は恐る恐るドアに近づき、覗き穴から外を確認した。

しかし、廊下には誰もいなかった。

「気のせいか…」

そう自分に言い聞かせ、ベッドに戻ろうとしたその時、再びスマホが振動した。

「見てはいけない。」

【恐怖の実感】

そのメッセージを見た瞬間、再び廊下から音が聞こえた。

今度は明らかに誰かがドアの前に立っている気配がする。私は息を潜め、音が止むのを待った。

やがて音は消えたが、恐怖で動けなくなってしまった。スマホを握りしめながら、次のメッセージが届くのを待つようにただ震えていた。

そして、ついにメッセージが届いた。

「今すぐ鍵をかけ直して。」

【不可解な行動】

鍵?確かにかけたはずだと思いながらも、念のためドアに近づいた。ドアを確認すると、なぜか少しだけ開いていた。

「そんなはずはない…ちゃんとかけたのに。」

恐る恐るドアを閉め鍵をかけ直すと、再びスマホが振動した。

「よくやった。でも次に来たら、決してドアを開けてはいけない。」

【決して開けるな】

そのメッセージを読んだ直後、ドアを叩く音が聞こえた。

「コンコン…」

軽いノック音だったが、妙に不規則で、普通の人間がするものとは思えなかった。

「誰…?」

声を出す勇気もなく、ただ音が止むのを待った。

すると、ノック音が止まり、代わりにかすれた声が聞こえてきた。

「…開けて…ここにいるのは…分かってる…」

【恐怖の頂点】

声は人間のものとは思えない、不自然に低い音だった。

私は身を縮め、スマホを握りしめたまま動けなくなっていた。再びメッセージが届いた。

「もうすぐ行くから、絶対に開けないで。」

メッセージが示す「もうすぐ」が何を意味しているのか分からなかったが、ただひたすら震えながら時間が過ぎるのを待った。

すると、不意に廊下の音が消え、静寂が戻った。

【朝の光】

気づけば、窓の外には朝日が差し込んでいた。

あの声も音も消え、部屋の中は元の静けさを取り戻していた。私はスマホを確認したが、メッセージはすべて消えていた。

「夢…だったのか?」

しかし、ドアに近づくと、覗き穴には何かが引っ掻いたような傷が残されていた。

【エピローグ】

その後、あの番号からメッセージが届くことはなかった。しかし、ドアを叩く音が再び聞こえる気がしてならない。

もし、深夜に見知らぬメッセージが届いたら――その言葉に耳を傾けるべきかもしれない。それが、あなたを救う唯一の方法である可能性があるのだから。



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