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高額報酬の怪しい依頼
副業でクラウドソーシングを利用している私は、日々いろいろな案件を受けてきた。ライティング、データ入力、翻訳といった普通の仕事がほとんどだ。だが、ある日、目を疑うような案件が目に飛び込んできた。
「報酬:50万円。簡単な指示に従うだけ。」
詳細を確認すると、仕事内容はただひと言、こう書かれていた。
「特定の日時に指定の場所で1時間待機すること。」
条件はそれだけ。どこにも違法性を感じさせる要素はないが、あまりに抽象的だった。興味をそそられた私は、クライアントにメッセージを送った。
「この案件、もう少し詳しく教えていただけますか?」
しばらくして返信が来た。
「場所は当日お伝えします。時間通りにいてくれるだけで大丈夫です。」
奇妙な条件
「これは詐欺か、怪しい宗教か?」と疑念が湧いたが、私の中には好奇心が勝っていた。
依頼のページには、他の応募者が誰一人いないこともあり、どうしても気になってしまった。
翌日、契約を承諾すると、クライアントからメッセージが届いた。
「約束の日まで待機していてください。当日、詳しい場所と時間をお伝えします。」
それから数日間、他の仕事をこなしている間も、この案件のことが頭を離れなかった。
不気味な現場
約束の日、私はメッセージで指定された場所へ向かった。場所は郊外のとある公園。午後8時という少し遅い時間だったが、人気のあるエリアではないため、人通りは少なかった。
メッセージにはさらに細かい指示が記されていた。
「公園の東側にある大きな木の下で1時間待機してください。他の行動は一切取らないでください。」
その通りに行動し、大きな木の下でスマホをいじりながら時間を潰していた。だが、ふと気づくと、周囲の空気が妙に静かになっていた。
奇妙な出来事
気配を感じて周囲を見渡したが、誰もいない。だが、確かに足音のような音が背後から聞こえた。振り返ると、木の根元に古びた箱が置かれているのが目に入った。
「いつの間に……?」
クライアントからは「1時間待機するだけ」と言われていたが、どうしても気になり、その箱を開けてみた。中には、古びた手帳が一冊入っていた。
開いてみると、そこには自分の過去が詳細に記されていた。
「1995年、初めて自転車に乗れるようになった日。」
「2002年、夏祭りで買ったヨーヨーが割れた日。」
「2015年、最初の恋人に振られた日。」
そんなことを誰が知っている? 手帳をめくるたびに背筋が寒くなった。
クライアントからの最後の指示
スマホが振動し、クライアントからのメッセージが届いた。
「その手帳を持ち帰ってはいけません。そのまま箱に戻し、何もなかったように帰ってください。」
その瞬間、周囲から無数の気配を感じた。人影のようなものが木々の間を動いている。恐怖を感じた私は、手帳を箱に戻し、足早にその場を離れた。
報酬と謎
翌朝、クラウドソーシングのアカウントにログインすると、報酬の50万円が振り込まれていた。だが、それ以降、クライアントからの連絡は一切なかった。
あの手帳は何だったのか? なぜ自分の過去が書かれていたのか?
それ以来、同じ場所を訪れることは一度もないが、時折、あの気配を思い出してしまう。もしかしたら、またあの手帳に自分の未来が書き加えられているのではないかと――。
「不気味なクラウドソーシング案件――50万円の代償とは?」
現代社会の便利さの裏側に潜む闇。そんな好奇心を刺激する奇妙な仕事、あなたなら引き受けますか?
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