目次
【プロローグ】
私は普段、クラウドソーシングで生計を立てている。
特に専門的なスキルはないが、文章作成や簡単なリサーチの仕事を受けることで、そこそこの収入を得ていた。
基本的に低単価の案件を淡々とこなす日々だったが、ある日、目を疑うほど高額な依頼が目に飛び込んできた。
「特定の場所で特定の条件を満たして作業をしてください。報酬100万円。」
100万円――それまで見たこともない金額だった。
詳細を確認すると、「異常に高額な理由」が書かれていた。
「実際に現地に足を運ぶ必要があります。詳細は個別にお伝えします。」
怪しいと思いつつも、私は報酬に目がくらみ、応募してしまった。
【不思議な案件の内容】
翌日、依頼主からメッセージが届いた。
「採用となりました。依頼内容をお伝えします。」
メッセージには、簡単な指示が書かれていた。
指定された場所へ行くこと(とある地方の山奥だった)。
現地で指示された時間に待機すること。
作業内容については現地で渡す封筒を開いて確認すること。
「現地で封筒を開ける?随分と奇妙な仕事だな…。」
だが、報酬の100万円は魅力的だった。私は半信半疑のまま、指定された場所へ向かう準備を進めた。
【現地での不思議な体験】
依頼された場所は、地図にも詳しく載っていない山奥だった。
車を走らせ、途中からは舗装されていない細い山道を進む。やがて、古びた木製の案内板が目に入った。案内板には、こう書かれていた。
「ここより先、進む者は覚悟を持て。」
不気味なメッセージだったが、指定の場所に着くと、そこにはポツンと置かれた木製の箱があった。その箱には封筒が入っていた。
「これか…」
封筒を開けると、さらに奇妙な指示が書かれていた。
「この封筒を持ったまま、目の前の大きな石を右手で3回叩け。その後、静かに待て。」
【異世界への扉が開く】
半信半疑で、大きな石を指示通りに叩いた。
1回目――カーンという澄んだ音が響く。
2回目――音が低くなり、何かが振動する感覚が伝わる。
3回目――石が光り出した。
光はだんだん強くなり、目を開けていられないほど眩しくなった。次の瞬間、足元が崩れるような感覚に襲われた。
気がつくと、私は見知らぬ場所に立っていた。
【異世界での景色】
目の前には広大な草原が広がり、見たことのない奇妙な植物が生い茂っていた。空は鮮やかな紫色で、2つの太陽が輝いている。
「ここは…どこだ?」
恐る恐る周囲を歩き回ると、近くに古代遺跡のような建物が見えてきた。建物の中には、不思議な文字が刻まれた石碑が置かれていた。
封筒を確認すると、次の指示が書かれていた。
「石碑に触れ、あなたの名前を心の中で唱えること。」
【不思議な現象】
指示通りに石碑に触れると、頭の中に直接声が響いてきた。
「ようこそ、選ばれし者よ。」
その声は低く穏やかで、どこか威厳を感じさせるものだった。
「選ばれし者…?」
声は続けてこう言った。
「この場所で過ごした記憶は現実に影響を与えない。ただし、ここでの選択が未来を形作るだろう。」
石碑の文字が光り出し、再び頭がぼんやりとしてきた。気づくと、私は元の山奥の場所に戻っていた。
【無事に報酬が振り込まれる】
家に戻り、現実に戻った安心感を味わうと、クラウドソーシングのサイトを開いた。
そこには報酬振込完了の通知が表示されていた。
「100万円」――本当に振り込まれていた。
「夢だったのか…?」
だが、手元には石碑に触れた時に手にした小さな石が残されていた。それが、すべてが現実だった証拠のように思えた。
【エピローグ】
その後、私は同じ依頼主から再び仕事を受けることはなかった。
だが、あの日見た異世界の光景が頭から離れない。あの場所で私は何を選び、何を得たのか…。それが自分の未来にどう影響するのかは、まだ分からない。
もし、あなたがクラウドソーシングで奇妙な依頼を見つけたら――それは、あなたを新たな世界へ導く扉かもしれない。
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