目次
【プロローグ】
それは、大学時代の友人たちと久しぶりに集まった飲み会の翌日、奇妙な出来事から始まった。
私たちは5人グループで、学生時代からよくつるんでいた仲間だ。就職してからはそれぞれ忙しく、全員が顔を揃えるのは数年ぶりだった。
夜遅くまで飲み明かし、終電を逃した私たちは、幹事の提案で近くのカラオケボックスに行き、そこで朝まで過ごすことにした。
笑いあり、歌いあり、懐かしい時間を存分に楽しんだはずだった。だが、翌日、その飲み会の記憶を振り返ると、妙な違和感が私を襲った。
【写真に映る6人目の人物】
翌朝、友人の1人からLINEで昨夜の写真が送られてきた。
それはカラオケボックスで撮影した記念写真だった。画面には私たち5人が写っている…はずだった。
だが、よく見ると、そこには6人目の人物が映り込んでいた。
「ん…?誰だ、これ?」
私は思わず写真を拡大した。6人目は私たちと同じテーブルに座り、笑顔を浮かべている。しかし、その顔には見覚えがなかった。
「これ、誰か知らない?」
グループチャットで確認すると、他の友人たちも口を揃えて言った。
「え?知らないよ。」
「カラオケには5人で行ったよな。」
しかし、写真には明らかに6人目が写っている。それも、私たちの輪の中に自然に溶け込むような形で。
【監視カメラの映像】
その奇妙さがどうしても気になり、私はカラオケボックスに連絡を取った。
「昨夜の監視カメラの映像を確認させてもらえませんか?」
店側も少し不審がりながらも、私のお願いを受け入れてくれた。
その映像を確認すると、カラオケルームに入った時点で確かに5人しかいなかった。しかし、深夜2時頃から、突然6人目の人影が映り込んでいたのだ。
その人物は、どこからともなく現れ、私たちと自然に会話をしているように見えた。
【記憶のズレ】
さらに奇妙だったのは、その6人目についての記憶だ。
友人たちと話していると、全員が「誰もそんな人と会話していない」と主張する。だが、ふとした瞬間に曖昧な記憶が蘇ることがあった。
「確かに、誰かが歌っていた時、6人目が曲を選んでいた気がする…。」
「いや、途中で何か話しかけてきたような…でも顔が思い出せない。」
誰もがはっきりとは覚えていないが、6人目の存在を完全に否定することもできなかった。
【奇妙な再会】
その数日後、私は何気なく通勤電車に乗っていた。車内は満員で、周囲の人たちも疲れた顔をしていたが、ふと視線を感じて顔を上げた瞬間、私は言葉を失った。
人混みの中に、あの6人目が立っていたのだ。
「え…?」
彼はまっすぐこちらを見つめて微笑んでいた。だが、次の瞬間、電車が揺れ、視線を外した隙にその姿は消えていた。
まるで最初からそこにいなかったかのように。
【もう一度現れた6人目】
その出来事を誰にも話せずにいたある日、再び6人目に遭遇した。
今度は近所のスーパーだった。買い物をしている途中、背後から肩を軽く叩かれた感触がした。振り返ると、そこにいたのは間違いなく6人目だった。
「どうも。」
そう言って彼は微笑んだが、その声にはどこか無機質な響きがあった。
「君は…誰なんだ?」
勇気を振り絞って尋ねたが、彼はただ笑うだけで何も答えなかった。
【エピローグ】
その後、彼が現れることはなくなったが、私たちが撮ったカラオケの写真を見るたびに、6人目がにじり寄るような感覚を覚えることがある。
写真を破棄しようとしたが、不思議なことにスマホから消せない。写真を削除しても、いつの間にかアルバムに戻ってくるのだ。
もし、あなたの友人グループにも人数のズレを感じたなら――それは彼が近づいている合図かもしれない。気づいても、決してそのズレを指摘してはいけない。
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