目次
引っ越し先で見つけた人形
この話は、私の友人・理恵が体験した実話です。
彼女が引っ越したのは築80年の古い一軒家でした。家賃が安く、広さも十分だったため、古さを気にしなければ理想的な住まいでした。しかし、引っ越し当日にその家で見つけた「あるもの」が、彼女の平穏な生活を狂わせることになったのです。
それは、和室の押し入れの奥にあった日本人形でした。人形は小ぶりなケースに入れられており、長い黒髪に赤い着物を着た、美しいけれどどこか冷たい目をしたものでした。
「なんか気味悪いけど、まあそのままにしておこう。」
理恵はその人形を動かさず、押し入れの中に放置することにしました。
夜になると気になる視線
引っ越して数日後、理恵は奇妙な感覚に襲われるようになりました。それは、夜寝るときに感じる「視線」です。最初は気のせいかと思っていましたが、日を追うごとにその感覚が強くなり、ついには寝室に置いた鏡に映る自分の背後が気になり始めました。
「押し入れの中の人形が、私を見てるんじゃないか……?」
理恵はそう感じてしまい、気味が悪くなって、人形を処分することを決意しました。
処分を試みるも……
理恵は人形をゴミ袋に入れ、近くのゴミ捨て場に置きました。しかし、その日の夜、不気味なことが起こります。押し入れから「カサッ……カサッ……」と微かな音が聞こえてきたのです。
恐る恐る押し入れを開けると、そこには捨てたはずの日本人形がケースごと戻っていました。
「嘘でしょ……どうして戻ってきてるの?」
冷静になれず、翌日、神社へ持って行くことにしました。
神社での怪しい反応
人形を神社に持ち込むと、神主は一瞥しただけで眉をひそめました。
「この人形、ただの飾り物じゃないですね……何か強い“念”が込められています。」
神主はそう言い、人形を供養すると約束してくれました。これでやっと解放される――そう思った理恵は、ホッとした気持ちで帰路につきました。
安堵と不安の交錯
その夜、理恵は久しぶりに安眠できると思っていました。ところが、深夜、また視線を感じて目を覚まします。そして、部屋の隅を見ると……そこには、あの日本人形がケースに入ったまま佇んでいました。
「どうして!?神社に預けたはずなのに!」
パニックになりながらも、理恵は人形を直視することができず、ただ布団を被って震えることしかできませんでした。
人形の「秘密」
翌日、理恵は再び神社を訪れました。神主に再度事情を説明すると、彼は深いため息をつきながら言いました。
「おそらく、この人形はあなたに何か伝えたいことがあるのでしょう。」
「伝えたいこと……?」
神主のアドバイスに従い、人形をケースから取り出して丁寧に拭き、もう一度じっくりと観察することにしました。すると、着物の裾の内側に古い紙が縫い込まれていることに気づきました。その紙を開くと、そこには震えるような文字でこう書かれていました。
「私を見つけて。私はここにいる。」
その文字に続くかのように、紙には近所の住所が記されていました。理恵は迷った末、意を決してその住所を訪ねることにしました。
住所で知った真実
その住所にあったのは、ボロボロになった古い家。近所の人に聞くと、その家の住人は数十年前に失踪した女性だと言います。理恵はその話を聞いた瞬間、何かが腑に落ちる感覚を覚えました。
「あの人形は、持ち主の女性を私に見つけてもらうことを望んでいたんだ……」
人形のその後
神主の手で再度しっかりと供養された人形は、もう戻ってくることはありませんでした。家に静寂が戻り、理恵の生活も落ち着きを取り戻しました。しかし、彼女は今でも時折思うそうです。
「私が見つけなかったら、あの人形は永遠に孤独だったんじゃないか……」
日本人形が何を伝えたかったのか、その真相は今も闇の中です。
■おすすめ
マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】

ロリポップ!

ムームーサーバー

新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp


![]() | 新品価格 |

![]() |

![]() | ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ] 価格:1078円 |

