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小学生の頃に迷子になった記憶
これは私が小学3年生の時に体験した、いまだに不思議で怖い記憶です。両親にも友達にもこの話をまともに信じてもらえませんでした。でも、今でもはっきりと覚えています。
あの日、私は学校からの帰り道で何を思ったのか、ふと普段通らない裏道に入りました。その道は細くて古い木々に囲まれ、なんとなく神秘的な雰囲気がありました。でも、その道を進んだのが私の記憶の最後です。気づいたときには、全く知らない場所に立っていました。
謎の空間とお地蔵様
目の前に広がっていたのは、小さな林の中にぽつんと立つお地蔵様でした。高さは私の肩くらい。風化しているのか、苔むした石の表面に優しい顔が彫られていました。
何が起きたのか全く分からず、怖くて泣き出しそうになった私に、お地蔵様が微笑んでいるように見えたのを覚えています。心細かった私は自然とそのお地蔵様に話しかけました。
「ここはどこ? どうすれば帰れるの?」
もちろん答えが返ってくることはありませんでした。でも、不思議とその場にいると安心感が湧いてきたのです。そして、なぜか空腹も寒さも感じませんでした。
お地蔵様と過ごした奇妙な時間
その場所には日が沈む気配もなく、静けさの中でただ時間が流れているだけでした。私はお地蔵様の前で座り込み、家族や学校のことを話し始めました。「今日は算数のテストがあったんだ」「お母さんが新しいお弁当箱を買ってくれたんだ」など、どうでもいいような話を延々と続けました。
不思議なことに、お地蔵様が微かにうなずいてくれているような気がしました。そしてそのたびに、私の不安は薄れていきました。
突然の「帰宅」
何時間話していたのか分かりませんが、ある瞬間、お地蔵様が優しく笑った気がしました。そして、気づいたときには私は自宅の近くの公園に立っていました。
時計を見ると、家を出た時刻から3日が経っていました。警察も出動し、近所総出で捜索が行われていたらしく、私は両親に泣きながら抱きしめられました。でも、3日間何をしていたのか、どうやって戻ってきたのかを説明すると、誰も信じてくれませんでした。
「疲れてたんだろう」「どこかで隠れていたんだ」――大人たちはそう言いました。でも、私は確かにあのお地蔵様の前で過ごしていたのです。
あのお地蔵様はどこに?
後日、私は自分が迷い込んだ裏道をもう一度探しました。でも、その道をどうしても見つけることができませんでした。友達にも聞いてみましたが、「そんな道は聞いたことがない」と笑われました。
大人になった今でも、あの時の出来事が何だったのかは分かりません。でも、一つだけ確かなのは、あのお地蔵様に私は守られていたということです。
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