目次
「ニート認定制度」からの通知
俺は普通のサラリーマンだった。特別仕事ができるわけじゃないが、毎日決められた時間に出社し、淡々と業務をこなす日々。
そんなある日、スマホに奇妙な通知が届いた。
「あなたは『ニート認定制度』の対象者に選ばれました」
意味がわからなかった。知らないアプリからの通知だったが、なぜかアンインストールすることができない。
「何の冗談だよ……」
不気味な気持ちになったが、放っておくことにした。
しかし、それが間違いだった。
会社での異変
翌朝、いつものように出社すると、会社の雰囲気が違った。いや、俺に対する同僚の態度が違う。
「……おはようございます」
挨拶をしても、誰も反応しない。まるで俺が透明人間になったかのように、目を合わせようとすらしない。
「おい、なんだよ……」
席についてパソコンを開こうとした瞬間、驚愕した。
俺のデスクがなくなっていた。
いや、デスクはある。けれど、そこに置いてあった俺のパソコンも書類もすべて消えている。さらに、上司が俺の前を通りかかるとき、何かをつぶやいた。
「……今日からか」
「え?」
問い詰めようとしたが、まるで聞こえていないかのように素通りされた。
混乱しながらも、俺はスマホを取り出し、「ニート認定制度」の通知を開いた。そこには、こう書かれていた。
「あなたは本日よりニートとして登録されました。会社への所属は解除され、社会的な存在としての記録も順次削除されます。」
そんな馬鹿な……!!
消えゆく社会的記録
急いで会社を飛び出し、銀行へ向かった。だが、ATMにキャッシュカードを入れると、画面には「この口座は存在しません」と表示される。
慌ててアパートへ戻ると、郵便受けの表札から俺の名前が消えていた。
「……嘘だろ?」
ドアを開けようとすると、鍵が合わない。まるで、最初からここに住んでいなかったかのように、俺の痕跡が消えていく。
手が震えながらスマホを見ると、画面には新たなメッセージが表示されていた。
「ニート登録完了」
「ニートの街」へようこそ
混乱の中、ふと別の通知が目に入った。
「本日22時、指定のバス停へお越しください。ニートの街へご案内します。」
ニートの街?
訳がわからなかったが、今の状況を考えると行くしかない。
そして、22時。指定のバス停へ向かうと、見たことのないバスが停まっていた。行き先表示には、こう書かれている。
「ニートの街」
バスの中には、俺と同じような表情をした人々が座っていた。
彼らは、みんな「ニート認定制度」によって社会から消された人間なのか……?
俺は静かにバスに乗り込んだ――。
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