目次
【プロローグ】
俺の名前はタカシ。30歳のニートだ。
高校卒業後にフリーターをしていたが、いつの間にか仕事を辞め、そのまま実家で引きこもるようになった。家族は最初こそ心配していたが、次第に何も言わなくなり、今では完全に空気扱いされている。
毎日ネットを見て、ゲームをして、適当に食べて寝るだけの生活。
正直、このままでいいとは思っていないが、変わる気力もない。
しかし――俺のような生活を送っていたはずの「ある男」の話を聞いた時、ニートでいることが恐ろしくなった。
【「ニート狩り」の噂】
ある日、ネット掲示板で「ニートが突然消える」という噂を見かけた。
「また都市伝説かよ」と笑い飛ばそうとしたが、書き込みを読み進めるうちに、背筋が寒くなった。
「最近、ニートの友達が突然いなくなった。部屋には何も異常がないのに、まるで最初から存在していなかったかのように。」
「俺の知り合いも消えた。親が警察に通報したけど、『家出したのでは』としか言われなかったらしい。」
そして、決定的な書き込みを見つけた。
「消えたやつらの部屋には、必ず黒い手形が残っているらしい。」
このスレッドには、全国各地でニートが行方不明になっているという話が次々と書き込まれていた。
「どうせ作り話だろ」
そう思いつつも、俺は妙な不安を覚えた。
【知り合いのニートの失踪】
この噂を見た翌日、俺は昔からのニート仲間、ヒロシにLINEを送った。
「お前、最近どうよ?」
だが、既読にならない。
「まぁ、アイツのことだから寝てるんだろう。」
そう思い、気にしないようにした。
しかし、数日経っても返信がない。おかしいと思い、ヒロシの実家に電話をかけてみると、出たのは彼の母親だった。
「ヒロシくん? あの子…急にいなくなったのよ。」
「え?」
「朝、部屋を見に行ったら、布団がそのままで…。靴も、財布も、携帯も置きっぱなし。まるで、一晩で蒸発したみたいに。」
ヒロシの母親は震えた声で続けた。
「それに…壁に、見たことのない黒い手形がついていたの。」
俺はスマホを持つ手が震えた。
【黒い手形】
ヒロシの母親から聞いた話が気になり、俺は試しに自分の部屋の壁を確認してみた。
そして、見つけてしまった。
黒い手形が、壁の隅にくっきりとついていた。
「嘘だろ…?」
近づいてよく見ると、それは異様に長い指を持った手形だった。まるで、人間ではない何かが触れたかのような――。
そして、その瞬間、背後から聞こえた。
「…見つけた。」
【消える直前】
背筋が凍りつき、振り返ることができなかった。
だが、視界の隅に、何かが動いた気がした。
それは――黒い影。
ゆっくりとこちらへ近づいてくる気配がした。
「ヤバい…!」
全身が恐怖で硬直する中、スマホを握りしめ、急いで家を飛び出した。
【エピローグ】
俺はそのまま実家を出て、遠く離れた親戚の家に転がり込んだ。
ヒロシは、いまだに見つかっていない。
あの黒い手形は、きっと「ニートを狩る何か」の印だったのではないか?
そして――今もどこかで、次の「獲物」を探しているのかもしれない。
もし、ニート生活を送っているお前が、ある日突然黒い手形を見つけたら――。
すぐに逃げろ。お前の番かもしれない。
■おすすめ
マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】

ロリポップ!

ムームーサーバー

新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp


![]() | 新品価格 |

![]() |

![]() | ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ] 価格:1078円 |

