私は子供の頃から物をなくしやすい性格だった。鉛筆、ノート、靴下、果てはゲームのカセットまで、気がつくとなくなっていることがよくあった。
しかし、ある時から「なくなるもの」が特定のおもちゃだけになったことに気がついた。
目次
奇妙な法則
小学生の頃、私はいろいろなおもちゃを持っていたが、特になくなりやすかったのは、「小さな人形」や「ミニカー」などの手のひらサイズのもの」だった。
レゴのフィギュア、ガチャガチャの景品、ミニカー……そういったものを部屋に置いておくと、ある日突然消えてしまうのだ。
最初は気のせいだと思った。しかし、家族に聞いても誰も触っていないというし、いつも遊んでいた場所にない。しかも不思議なことに、なくなったおもちゃは決して見つからなかった。
戻ってくるおもちゃ
それでも、なくなるだけならまだよかった。
奇妙だったのは、何ヶ月も経った後、全く違う場所からひょっこり戻ってくることがあったのだ。
例えば、小学校2年生の頃に失くしたはずのミニカーが、なぜか4年生になってから学校の机の中から出てきた。
「これ、○○(私の名前)のじゃない?」
友達にそう言われて手に取ると、それは間違いなく私のミニカーだった。しかし、なくしたのは家の中のはず。どうやって学校に現れたのか、まったく分からない。
そして、戻ってきたおもちゃには必ず奇妙な傷や汚れがついていた。まるで誰かが遊んだかのように。
消えたままのもの
それでも戻ってこないおもちゃもあった。特にお気に入りだった赤いロボットのフィギュアは、ある日を境に完全に消えてしまった。
探しても探しても見つからず、親に頼んで部屋を片付けてもらったが、どこにもなかった。
「もしかして、どこかに持っていかれてる……?」
そんな不安を抱くようになった。
再び現れたロボット
それから10年以上が経ち、私は社会人になった。
ある日、実家の倉庫を整理していた時のことだ。
埃まみれのダンボールの中に、あの赤いロボットのフィギュアが入っていた。
「……これ……?」
手に取ると、当時の記憶が一気に蘇った。小学生の頃に大切にしていたおもちゃ。そして、ある日忽然と消えたもの。
しかし、私が持っていた時よりも劣化が進んでいた。
プラスチックは変色し、金属部分にはサビが浮かんでいる。
「まるで、もっと長い時間が経ったみたいだな……。」
そう思った瞬間、私は背筋が寒くなった。
私がこのフィギュアをなくしたのはせいぜい10年ほど前。しかし、見た目は30年かそれ以上経っているように見えたのだ。
このロボットは、どこで過ごしていたのか?
最後の違和感
気味が悪くなり、私はロボットを箱に戻した。
しかし、片付けを終えて家に戻ると、異変に気づいた。
他にもなくなっていたおもちゃがある。また消えている。
実家の押し入れにしまっていたはずのレゴのフィギュア、ミニカー、ガチャガチャの人形――それらが、また忽然と消えていた。
まるで、何かが「次のもの」を持って行ったかのように。
結局、何が起きていたのか?
私は今でも、この現象の正体を知らない。
もしかすると、どこかに「なくなったおもちゃが集まる場所」があるのかもしれない。
もしくは、誰か――いや、何かが、おもちゃを借りて遊んでいるのかもしれない。
もし、あなたの家でも小さなおもちゃが消えたり、しばらくして戻ってきたりすることがあったら……
それは、何かがあなたのおもちゃを「借りに来ている」のかもしれない――。
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