怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

トンネルの先にいるもの 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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大学時代、私は友人3人と一緒に地方の山奥へドライブ旅行に出かけた。

地図にもほとんど載っていない田舎道を走っていると、朽ちかけた古いトンネルに差しかかった。

入口のコンクリートはひび割れ、苔がびっしりと生えている。周囲は人気がなく、ただ風がゴウゴウと音を立てていた。

「おい、あのトンネル通ってみない?」

好奇心旺盛な友人の一言で、私たちは車をそのトンネルへと走らせた。

異様な静けさ

トンネルの中は驚くほど暗く、ライトをつけても数メートル先までしか見えない。

壁は湿っていて、ポタポタと水滴が落ちる音が響く。

妙なのは、車が走っているのにエンジン音が吸い込まれるように静かだったことだ。

「なんか変じゃない?」

友人の一人がそう言った瞬間――

カン……カン……カン……

トンネルの奥から、金属を叩くような音が聞こえてきた。

消える出口

私たちはスピードを上げて出口へ向かおうとした。

だが、どれだけ走っても出口が見えない。

確かに短いトンネルだったはずなのに、終わりがまったく見えないのだ。

不安が募る中、ふとバックミラーを見ると――

真っ暗なトンネルの奥に、人影が立っていた。

迫り来る影

その人影は、少しずつ近づいてきている。

運転している友人はパニックになり、アクセルを踏み込んだ。

「おかしい! こんなに長くないはずなのに!」

叫びながらも、車は加速していく。

しかし、バックミラーの人影は追いついてくるかのようにどんどん大きくなっていった。

顔は見えない。ただ、異様に長い腕がダラリと垂れ、足音もなく滑るように近づいてくる。

突然の出口

絶望しかけたそのとき――

突然、目の前に出口が現れた。

友人は勢いよく車を飛び出させ、トンネルを抜けた。

外に出た瞬間、私たちは車を止めてしばらく呆然とした。

後ろを振り返ると、そこには確かに古びたトンネルの入口があった。

だが――おかしい。

トンネルの長さはせいぜい数十メートル程度。私たちが走っていた距離とはまるで一致しなかった。

最後の違和感

なんとか気を落ち着かせて車に戻ろうとしたとき、私は気づいてしまった。

車のボディに、無数の手形がついていた。

まるで、何十本もの手が車を引きずり込もうとしたかのように。

その手形は、どれも異常に細く長かった。



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