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ガリガリ…壁の向こう側から聞こえる音 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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引っ越し先の古いアパート

私は新しい職場への転勤で、築年数の古いアパートへ引っ越した。
家賃が安い割には立地も良く、一見するとお得な物件だった。
ただ、壁が薄く、隣人の生活音が少し気になる程度。

最初のうちは特に問題もなく、淡々と仕事と家の往復を繰り返していた。
しかし、引っ越してから3週間ほど経った頃、奇妙なことに気づいた。

深夜の「ガリガリ」という音

ある夜、寝ようとベッドに横になっていると――

「ガリ…ガリ…ガリガリ…」

壁の向こう側から、まるで何かを爪で引っ掻くような音が聞こえてきた。
最初は「隣人が何かやってるのかな」と気にも留めなかったが、
その音は夜になるたび、決まって午前2時頃に始まるのだ。

不気味なことに、その「ガリガリ」という音は少しずつ、こちらに近づいてくるような気がした。

音の正体を確かめる

耐えきれなくなった私は、ある晩、耳を壁にピタリとつけてみた。
すると――

「ガリガリ…ガリ…ガリガリガリガリ……」

…音が壁の中から聞こえている。
壁の向こう、隣の部屋ではない。壁の“中”からだ。

ゾクリと背筋が凍った。
「ネズミかな?」とも思ったが、音は異常なほど規則的で、まるで何かが壁の中を這いずり回り、内側から引っ掻いているような感じだった。

隣人の証言

翌日、隣人に会う機会があったので、思い切って聞いてみた。

「夜中にガリガリって音、聞こえませんか?」

隣人は一瞬顔をこわばらせたが、すぐに笑ってこう言った。

「ああ、それ……前の住人も言ってたよ。でも気にしない方がいい。すぐ慣れるから。」

妙な答えだった。
“慣れる”ってどういう意味だ?

壁を叩いてしまった夜

その夜、また「ガリガリ…ガリ…」と音が始まった。
イライラが頂点に達した私は、壁をドン!と叩いてしまった。

音はピタリと止んだ。
「ほら、やっぱりネズミとかだろう」と思って布団に入ろうとしたその瞬間――

「ガリガリガリガリガリガリガリガリ!!!」

まるで怒ったかのように、激しく壁の内側を引っ掻く音が鳴り響いた。
音は次第に大きくなり、明らかに“何か”が壁の内側から出ようとしているのが分かった。

私は慌てて電気をつけ、壁から離れた。
音は数分続いたが、やがて静寂が訪れた。

最後の夜

翌日、大家に事情を説明し、壁を調べてもらうことにした。
大家は少し困ったような顔をしていたが、最終的には了承してくれた。

数日後、大家と業者が来て、問題の壁を開けることになった。
私も立ち会うことにしたが、心臓がバクバクと脈打っていた。

壁に切れ目が入り、石膏ボードを剥がすと――そこには、古びた木の板が現れた。
そして、その板を剥がした瞬間――

骸骨が出てきた。
明らかに人間のものだった。
しかも、指先の骨が壁に向かって伸びており、爪が壁の内側を引っ掻いた跡がびっしりと残っていた。

その後

警察が調査に入り、どうやらかなり前に行方不明になった人物の遺体であることがわかった。
事故なのか事件なのかは分からない。
ただ、一つだけ確かなのは――壁の中から聞こえた「ガリガリ」という音の正体だった。

私はすぐにアパートを引き払った。
引っ越し後も、時折ふと夜中の2時頃に目が覚め、「ガリ…ガリ…」という幻聴を聞くことがある。



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