目次
友人と見つけた不思議な広告
ある休日、久しぶりに会った友人とカフェでのんびりしていた。
話がひと段落したころ、友人のリュウがテーブルの上に置かれたチラシを手に取った。
「へぇ、こんな店あったっけ?」
そこには、見たことのないレストランの広告が載っていた。
「懐かしの味、昔ながらの洋食屋“ふるさと亭”」
手書き風のフォントと、昔ながらのオムライスやハンバーグの写真が並んでいる。
どこか昭和レトロな雰囲気のデザインだった。
リュウが笑いながら言った。
「こういう雰囲気の店、最近見かけなくなったよな。ちょっと行ってみない?」
ちょうどお腹も空いていたし、住所を見るとこのカフェからそれほど遠くない。
私たちは、その店へ向かってみることにした。
店を探して…しかし
チラシに書かれた住所を頼りに歩いていく。
しかし、目的の場所にたどり着いても、そこには何もなかった。
いや、正確には、そこにレストランらしき建物はあった。
だが、店はすでに廃業して久しいようで、看板も外され、窓には板が打ち付けられていた。
リュウが困惑しながら言う。
「……どういうことだ? さっきのチラシ、新しくオープンするって感じだったよな?」
私も不思議に思い、もう一度チラシを確認しようとポケットを探った。
しかし――
チラシがどこにもない。
リュウもポケットやカバンを探したが、いつの間にか消えていた。
確かにあった記憶
「まあ、ただの古い広告が間違って出回ったのかもな。」
私たちはそう言い聞かせ、別の店で食事を済ませた。
しかし、後日気になって調べてみると――
その場所には確かに“ふるさと亭”という洋食屋があった。
ただし、30年以上前に閉店している。
リュウにそのことを伝えると、彼は驚きながら言った。
「じゃあ、あのチラシは一体……?」
私たちは確かに見たのだ。
新しく印刷されたようなチラシを。
現実には存在しないはずの店の広告を。
それ以来、私たちは妙なことに気づいた。
あの日から、どこかでオムライスやハンバーグの香りがすると、ふと懐かしい気持ちになるようになった。
まるで、今もどこかに“ふるさと亭”が存在しているかのように――。
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