目次
【プロローグ】
私の実家には、誰も使っていない部屋がある。
そこは元々、祖父が使っていた部屋だったが、祖父が亡くなってからずっと閉ざされたままだ。
子供の頃から、その部屋には近づかないようにと言われていた。
「物置になってるから、入る必要はないよ。」
両親はそう言っていたが、私は何となくそこに何かあるような気がしてならなかった。
そして、私はその理由を知ることになる。
【異変の始まり】
実家に帰省したある晩、私は夜中にふと目を覚ました。
廊下の向こうから、かすかな音が聞こえる。
ギシ…ギシ…
「……誰か起きてる?」
眠い目をこすりながら音のする方を確認すると――。
“使っていないはずの部屋の扉”が、ほんの少し開いていた。
【使っていないはずの部屋】
「風か?」
そう思ったが、窓は閉まっているし、エアコンもつけていない。
嫌な予感がして、そっと扉を押し開けた。
そこには――何もなかった。
埃っぽい畳、積み上げられた古い箱。
ただの物置になっているだけだった。
「なんだ、気のせいか。」
そう思い、部屋を出ようとした瞬間、
――背後でふわりと何かが動いた。
【違和感】
怖くなって、すぐに扉を閉めた。
だが、廊下に戻った瞬間、ある違和感に気づいた。
さっき入る前と何かが違う。
「……何が違う?」
違和感の正体を探して、もう一度扉を開けようとした。
その瞬間――
バタンッ!!
何かが内側から、扉を勢いよく閉めた。
【祖父の声】
驚いて後ずさると、廊下の奥で母が起きてきた。
「どうしたの?」
「今、部屋の中で……誰かが……」
私が言いかけると、母は表情を曇らせた。
そして、静かに言った。
「……だから、あの部屋には近づくなって言ったでしょ?」
私は震えながら聞いた。
「あの部屋、何かあるの?」
母はしばらく黙っていたが、やがてぽつりと言った。
「おじいちゃんがね……死ぬ前に、誰かと話してたのよ。
ずっと、誰もいない部屋で。」
【エピローグ】
それ以来、私は実家に帰るたびに、あの部屋の扉が少しだけ開いているのを見つけるようになった。
風のせいかもしれない。
でも、たまに聞こえる。
ギシ…ギシ…
まるで、誰かが畳の上を歩いているような音が。
祖父は、誰と話していたのだろう?
そして――今もまだ、そこにいるのは誰なのか?
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