怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

最後のアンケート 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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プロローグ

「お客様、よろしければアンケートにご協力ください。」

駅前で配られていた、一枚の紙。

何気なく受け取り、何気なく答えた。

でも、それが間違いだった。

第一章:街頭アンケート

その日、俺は仕事帰りに駅前を歩いていた。

「すみません、簡単なアンケートなんですが……。」

スーツ姿の男が、丁寧な口調で声をかけてきた。

「数分で終わりますので。」

アンケートの内容は、ごく普通だった。

年齢
職業
住んでいる地域
よく行く場所
何の変哲もない質問ばかり。

「ありがとうございました。」

男は笑顔で紙を受け取り、俺はそのまま帰った。

ただ、一つだけ妙な質問があった。

「あなたは、誰かに見られていると感じますか?」

俺は「いいえ」に丸をつけた。

でも――

その夜、俺は初めて「見られている」と感じた。

第二章:監視の気配

その日を境に、俺の周囲で妙なことが起こり始めた。

自宅のポストに入っていた、知らない手書きのメモ
自販機でジュースを買ったら、取り出し口に紙が挟まっていた
会社のデスクに、知らない封筒が置かれていた
中身はいずれも、同じ文面だった。

「アンケートにご協力ありがとうございました。」

最初は偶然かと思った。

だが、封筒の裏に小さく書かれた文を見て、血の気が引いた。

「あなたは、見られています。」

第三章:消えたアンケート調査員

不安になり、アンケートを取っていた男のことを調べた。

しかし、駅前でアンケートを配っていた会社を探しても、そんな企業は存在しなかった。

気味が悪くなり、警察に相談した。

しかし、駅周辺の防犯カメラを調べても、俺にアンケートを渡した男は映っていなかった。

「そんなはずは……。」

だって、俺は確かにアンケートを書いたのに。

第四章:二度目のアンケート

翌日、家のポストにまた封筒が届いた。

今度はアンケート用紙が入っていた。

見覚えのある質問内容。

しかし、最後の質問だけが違っていた。

「あなたは、誰に見られていると思いますか?」

選択肢はない。

俺は、怖くなって紙を破り捨てた。

その晩、部屋の窓に映る影を見てしまった。

暗闇の中、じっとこちらを覗いている何かがいた。

結末:最後の質問

俺は耐えられなくなり、荷物をまとめて引っ越すことにした。

逃げるように新しい部屋へ移り、アンケートのことを忘れようとした。

しかし――

引っ越した先のポストを開けると、そこに封筒が入っていた。

震える手で開けると、そこには最後の質問が書かれていた。

「あなたは、もう気づきましたか?」

その瞬間、背後で 「カチッ」 と音がした。

まるで、何かが“録画を始めた”ような音だった。



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