怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

奇妙なアンケート 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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【プロローグ】

その日、仕事帰りの駅前で、一人の若い女性に声をかけられた。

「すみません、簡単なアンケートにご協力いただけませんか?」

白いシャツに黒のスカート、どこにでもいるような普通のアンケート調査員だった。

「2、3分で終わりますので。」

ちょうど時間もあったし、特に怪しいとも思わず、私はそのアンケートを受け取った。

しかし、それが最悪の始まりだった。

【奇妙な質問】

アンケートの内容は、ごく普通のものだった。

「性別は?」
「年齢は?」
「普段の生活で気をつけていることは?」

しかし、最後の質問で違和感を覚えた。

「あなたの一番怖いものは何ですか?」

「……え?」

なんだか不気味に思えたが、適当に「幽霊」と書いて返した。

調査員の女性は笑顔で「ご協力ありがとうございました」と言い、去っていった。

私はそのまま帰宅したが――その夜、異変が起こった。

【悪夢】

夜中、私は妙な気配を感じて目を覚ました。

部屋の空気が異様に重い。

そして、何かがいる。

薄暗い部屋の片隅に――

「誰か」が立っていた。

顔は見えない。だが、確かに人の形をしている。

私は声も出せず、金縛りにあったように動けなかった。

そして、耳元で囁かれた。

「……幽霊、怖い?」

【次の日】

朝、飛び起きた私はすぐにスマホを確認した。

新着メールが一通。

送信者は不明、件名はなし。

開くと、短い文章だけが書かれていた。

「アンケートのご協力ありがとうございました。」

震えながらスクロールすると――

添付されていたのは、昨夜の私の部屋の写真だった。

そこには、確かに“何か”が写っていた。

【さらに続くアンケート】

怖くなった私は、アンケートを受けた駅前に戻った。

しかし、あの調査員の姿はなかった。

駅員に聞いても、「そんなアンケートは行われていない」という。

それから数日、私は悪夢を見続けた。

そして、ある朝――

ポストに、一枚の紙が入っていた。

それは、またアンケート用紙だった。

そこには、こう書かれていた。

「次に怖いものは、何ですか?」

【エピローグ】

私は今でも、そのアンケートに答えていない。

だが、昨日の夜、また何かが部屋にいた。

それは、以前よりも近くに――

ベッドのすぐそばに立っていた。

もしあなたも街でアンケートを渡されたら――

絶対に最後の質問には答えないでほしい。

あなたの答えに、何かが応えてくるかもしれないから。



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