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祖父の仏壇に供えたはずのものが… 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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祖父の仏壇に手を合わせる日々

社会人になり、実家を離れて都会で一人暮らしを始めた。
久しぶりに帰省すると、祖父の仏壇がリビングの端にひっそりと置かれていた。

祖父は私が高校生のときに亡くなった。
厳しくも優しい人だった。
実家に帰るたびに、私は仏壇に手を合わせるのが習慣になっていた。

その日も、私は手を合わせて線香をあげた。
ふと、仏壇の前にある小皿に気づく。

「お供え物、何かしようかな」

そう思い、冷蔵庫をあさると祖父の好物だった羊羹があった。
一切れ切って、仏壇の小皿にそっと置いた。

消えたお供え物

翌朝、何気なく仏壇を見ると、羊羹がなくなっていた。

「……え?」

母に聞くと、「私も触ってないし、食べてもないよ」と言う。

「じゃあ、誰が?」

他の家族に聞いても、誰も知らない。
もしかしたら、夜中に誰かが食べたのかもしれないと、私はあまり気にせず、その日は東京に戻った。

奇妙な出来事が続く

それから数ヶ月後、また帰省した。
仏壇に手を合わせながら、「そういえば前回の羊羹、誰が食べたんだろう」とふと思い出した。

試しに、今度は祖父が好きだったせんべいを供えてみた。

翌朝、また消えていた。

家族に聞いても、やはり誰も知らないと言う。
「誰かがこっそり食べてるんじゃないの?」と母は笑っていたが、私は妙な違和感を覚えた。

「もしかして、祖父が本当に食べてるんじゃないか……?」

祖父の仏壇に起きた異変

その夜、私は寝付けなかった。
気になって、夜中に仏壇を見に行った。

リビングの電気をつけず、スマホのライトを頼りに仏壇の前に立つ。
お供え物を置いた小皿をそっと覗き込むと――

半分食べかけのせんべいが残っていた。

「……え?」

誰かが食べかけで置いたのか?
それとも、何かの拍子に割れただけか?

――ガタッ

背後で何かが動いた音がした。
心臓が跳ね上がる。

リビングの暗闇に目を凝らすと、そこには……

仏壇の扉が、わずかに開いていた。

私は息をのんだ。

そっと扉を閉じ、急いで自室に戻った。

仏壇の中の違和感

翌朝、勇気を出して仏壇を開けてみた。
仏壇の奥に、小さな白い紙切れがあるのを見つけた。

震える手で拾い上げると、そこには、祖父の筆跡でこう書かれていた。

「ありがとう また頼む」

ゾッとした。
しかし、それと同時に、不思議と怖さよりも少しだけ懐かしさを感じた。

それ以来、帰省するたびに私は祖父の仏壇にお供えをするようになった。
そして翌朝、決まってお供え物は消えている。

でも、私はもう何も気にしないことにした。



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