怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

スマホのカメラに残されたもの 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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プロローグ

「……なんだ、この写真?」

スマホのアルバムを何気なく開いたとき、見覚えのない写真 が一枚混じっていた。

ぼやけた路地、誰もいない公園、暗い地下道。

撮った記憶はない。

そもそも、こんな場所に行ったことすらないのに。

第一章:知らない写真

仕事の休憩中、スマホのストレージを整理しようとアルバムを開いた。

最近撮った写真をチェックしていると、違和感を覚えた。

「……これ、いつ撮った?」

画面には、一枚の写真。

古びたバス停のベンチ が映っている。

昼間のようだが、少し靄がかかっていて不気味な雰囲気がある。

ただ、まったく見覚えのない場所だった。

日付を確認すると、ちょうど一週間前の深夜3時。

「その時間、寝てたはずだよな……?」

誰かが勝手に撮影したのかと思い、ゾッとした。

だが、スマホにはロックをかけているし、誰かが触った形跡はない。

じゃあ、この写真は一体――?

第二章:増え続ける写真

翌日、再びアルバムを開いた。

すると、新たに 二枚の写真 が増えていた。

一枚目:誰もいない交差点の真ん中。

二枚目:錆びついたフェンスの向こう側。

どちらも、どこか現実離れした薄暗い雰囲気 があった。

「気味が悪いな……。」

試しに画像検索をかけてみたが、どこなのかは特定できなかった。

ただ、確かなのは――

これらの写真は、今もどこかで誰かが撮影している。

第三章:映り込んでいたもの

不安になり、過去の写真をもう一度見返してみた。

最初のバス停の写真。

よく見ると、ベンチの隅に 何かがある。

拡大して確認すると――

手。

ベンチの下から、白い手が伸びていた。

鳥肌が立った。

もう一枚、交差点の写真を拡大する。

街灯の光の下、遠くに ぼんやりとした影のようなもの が映っていた。

「……何か、いるのか?」

俺の知らない場所で、誰かが撮影し、誰かが写っている。

いったい、誰が?

第四章:撮影者の正体

数日後、また新たな写真が追加されていた。

「駅のホーム」 の写真。

誰もいないホーム。

電車はなく、人気もない。

ただ、写真の奥に、小さく文字が書かれていた。

「見つけた。」

意味がわからず、思考が止まる。

誰が、誰を見つけた?

そう思った瞬間、スマホのカメラが 勝手に起動した。

画面が真っ暗になり、すぐに戻った。

そして、新しい写真が一枚増えていた。

それは――

今、俺がいる場所の写真だった。



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