目次
突然の更新通知
ある夜、仕事を終えて家に帰り、パソコンを開いた。
SNSをチェックしようとしたとき、ふと画面の端に見慣れない通知が表示された。
「システム更新が完了しました」
……ん?
特に何もアップデートした覚えはない。
最近ソフトウェアの更新なんてしていないはずなのに。
少し気味が悪かったが、まあ放っておけばいいかと、そのまま無視した。
しかし、数分後――
「更新が完了しました」
同じ通知が再び表示された。
その時、ふと気づいた。
更新したのは……“何”なんだ?
更新の異変
嫌な予感がして、パソコンの更新履歴を確認する。
しかし、最近インストールしたものもなければ、システムの更新履歴にも何も残っていない。
だが、ふとデスクトップのアイコンを見ると、一つだけ見覚えのないフォルダがあった。
名前は……「NEW_VERSION」。
俺は息をのんだ。
そんなフォルダ、作った覚えはない。
怖くなりながらも、クリックして開いてみる。
すると、中にはたったひとつのファイルがあった。
名前は……「更新されたもの」。
そのフォルダの正体
震える指でファイルを開く。
すると、白い画面に黒い文字がひとことだけ表示された。
「あなたの代わりが更新されました」
ゾクリと背筋が凍る。
訳が分からない。
次の瞬間――
背後で、玄関のドアが開く音がした。
心臓が跳ねる。
俺は確かに鍵を閉めたはずだ。
恐る恐る振り返ると――
“俺”が立っていた。
“更新された俺”
ドアの向こうにいるのは、間違いなく俺だった。
髪型も、服装も、表情までも同じ。
ただ、一つだけ違うのは……
“それ”の目が、どこまでも黒かったことだ。
まるで、何も映さない闇のような瞳。
そいつはゆっくりと口を開いた。
「更新が完了しました」
俺は咄嗟にパソコンの電源を落とし、フォルダを削除しようとした。
しかし、カーソルが動かない。
モニターには大きく、赤い文字が表示されていた。
「削除はできません」
カチカチとマウスをクリックする音だけが虚しく響く。
その間にも、“俺”はゆっくりと部屋に入ってくる。
俺は叫びながら、パソコンを床に叩きつけた。
バチンッ!という音と共に、画面がブラックアウトする。
次の瞬間、部屋の電気が一斉に消えた。
そして……気を失った。
全てが元通り?
気がつくと、朝になっていた。
部屋の中は、何も変わっていなかった。
パソコンを確認すると、昨日の「NEW_VERSION」フォルダは消えている。
あれは……夢だったのか?
しかし、ふとスマホを見て、血の気が引いた。
スマホの通知欄には、見覚えのある文字が並んでいた。
「システム更新が完了しました」
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