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移譲された呪い 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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突然の遺産相続

会社員の佐藤健一は、ある日突然、見知らぬ弁護士から電話を受けた。

「佐藤健一様ですね。あなたに、遠縁の親族から遺産が移譲されることになりました」

健一には遠縁の親族などいた覚えがない。
しかし、弁護士は正式な手続きであることを強調し、「相続を放棄する場合も、直接お会いして署名が必要」と告げた。

「とりあえず、話だけでも聞くか……」

健一は弁護士事務所を訪れた。

受け取った「古びた箱」

事務所で渡されたのは、古びた木箱だった。

「これは、あなたに移譲されるべきものです」

弁護士は事務的にそう言い、詳細については何も語らなかった。
箱は手のひらサイズで、黒ずんだ木の表面には古い文字が刻まれている。

健一は不気味に思いながらも、家に持ち帰った。

奇妙な現象

箱を持ち帰った夜、健一は眠れなかった。

部屋の隅から、コツコツ……カタカタ……と何かが動くような音がする。

「ネズミか?」

音の方向を見ると、箱がわずかに揺れていた。

ゾッとして箱を開けようとしたが、何故か異常な恐怖心が襲い、手が止まった。
そのまま、翌朝まで眠れずに過ごした。

会社での異変

翌日、会社に出勤すると、同僚が驚いた顔で健一を見た。

「お前……痩せた?」

鏡を見ると、確かに顔がやつれている。
肌は青白く、まるで何日も寝ていないようだった。

しかも、その日から、健一の周りで不可解な事故が続いた。

・コピー機が突然故障し、破片が飛び散る
・同僚が階段でつまずき、大怪我を負う
・健一の机の上に、見覚えのない黒いシミが広がる

まるで、何かの「災い」が彼の周囲に広がっているかのようだった。

祖母の言葉

耐えられなくなった健一は、久しぶりに田舎の祖母に相談することにした。

箱を見せると、祖母は一目見るなり青ざめた。

「……お前、どこでこれを……!」

祖母の話によると、これは代々「災い」を移譲するための箱だった。 持ち主が亡くなる前に次の者に譲ることで、その人の災厄を引き継がせるという呪いの箱らしい。

「すぐに手放しなさい!! でも、次の人に渡さないと、お前は……」

健一は恐怖に震えた。

「じゃあ、誰かに押し付けないと助からないのか……?」

健一の決断

健一は決断した。

「こんな呪い、誰にも押し付けられない……」

その晩、健一は箱を金槌で粉々に砕いた。

すると、まるで箱が叫び声を上げるような低い唸りが響いた。
それと同時に、異常な寒気が部屋を包み込んだ。

「終わった……?」

翌朝、健一はすっきりと目覚めた。
顔色も良くなり、周囲の不幸もぱったりと止んだ。

それからのこと

数ヶ月後、健一はようやくこの出来事を忘れかけていた。

そんなある日、見知らぬ番号からの電話がかかってきた。

「佐藤健一様ですね。あなたに、遠縁の親族から遺産が移譲されることになりました」

――またか。

健一の背筋に、冷たい汗が流れた。



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