目次
【プロローグ】
大学の帰り道、ふと立ち寄った古本屋で奇妙な本を見つけた。
表紙には何のタイトルもなく、古びた和紙のような紙に黒いインクでびっしりと文字が書かれている。
「……こんな本、珍しいな。」
興味を惹かれ、店主に値段を聞いたが、「それは売り物じゃない」と断られた。
だが、店を出る直前、店主がポツリとつぶやいた。
「……読みたくなったら、持っていくといい。」
その言葉の意味がわからなかったが、帰宅して驚いた。
あの本が、なぜか自分のカバンに入っていたのだ。
【奇妙な読後感】
その夜、なんとなく本を開いてみた。
中には、見たこともない不気味な文字が並んでいた。
まるで呪文のような、不規則な記号の羅列。
「……読めるわけないか。」
そう思って閉じようとした瞬間、
ページが勝手にめくれ、目が離せなくなった。
そのまま30分ほど経過し、気づいたときには本をすべて読み終えていた。
「……何が書いてあったんだ?」
何も理解できなかったのに、読んだという感覚だけが鮮明に残っていた。
その夜――悪夢を見た。
【夢の中の気配】
暗い和室。
ぼんやりとした灯りの中で、私は正座していた。
目の前には、顔の見えない誰かが座っている。
そいつは、ゆっくりと口を開いた。
「……よく、読んだな。」
その瞬間、畳の上に無数のお札が散らばった。
「お札を、破れ。」
「……え?」
「お前が読んだのだから、お札を破るんだ。」
私は夢の中で、なぜか逆らえない恐怖を感じた。
震える手で、一枚のお札を手に取る。
すると、部屋の空気が一変した。
――背後に、何かが立っている。
【本に貼られたお札】
悪夢から飛び起きた。
心臓が激しく鼓動し、冷や汗がにじんでいる。
「……夢、だったのか?」
しかし、机の上の本を見ると、異変に気づいた。
本の表紙に、黄ばんだ古いお札が貼られていた。
「こんなの、昨日はなかったはず……。」
お札の中央には赤黒い手形のようなものが浮かんでいる。
恐怖に駆られ、すぐに本を処分しようとした。
しかし、捨てても捨てても、本は必ず部屋に戻ってくる。
それどころか、悪夢は夜ごとに続いた。
【エピローグ】
限界を迎えた私は、霊媒師に相談した。
その本を見るなり、霊媒師は青ざめた顔で言った。
「このお札を剥がしてはならん!」
お札が本を封じていたのに、私は読んでしまった。
「……もう、これは止められないかもしれん。」
その言葉に、背筋が凍った。
私は本を持ち続けるしかなかった。
そして――
今夜も、夢の中でお札を破るよう強要されている。
いつか、破ってしまったらどうなるのか。
考えるだけで、恐ろしい。
もしあなたが古本屋で、見たことのない本を見つけたら――
決して、読んではいけない。
それが"封じられている本"だった場合、あなたも夢の中で試されることになるかもしれない。
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