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黄泉ヶ岳という山
東北地方のとある県に、「黄泉ヶ岳(よみがたけ)」と呼ばれる山がある。
標高は約1300メートル。登山道は存在するが、地図にもガイドブックにもほとんど情報が載っていない。
この山は古くから地元民に「決して一人で登ってはいけない」と言われている。
その理由は単純で――
「帰ってこられなくなることがある」
実際、黄泉ヶ岳では毎年のように行方不明者が出る。
捜索隊が入っても、何の手がかりもないまま終わることがほとんどだ。
だが、ごくまれに生還した登山者もいる。
彼らは口を揃えて、こんな証言をする。
「登山道が、いつの間にか消えた」
消える登山道と奇妙な光景
黄泉ヶ岳に登った登山者たちは、口々にこう言う。
「登っている途中で、道が突然わからなくなる」
「今まで歩いてきた道が消えていた」
「気づくと、見知らぬ場所にいた」
そして――
「そこには、見たことのない風景が広がっていた」
ある登山者は、こう語った。
「山の中腹に、不自然に広がる白い花畑があった。まるで墓標のように並んでいた」
別の登山者は、こんな体験をした。
「霧が晴れた先に、古い鳥居が立っていた。だが、その先に進もうとすると、どうしても足が動かなくなった」
また、ある人はこう言う。
「道を引き返そうとしたら、急に気分が悪くなった。頭痛と吐き気がして、立っていられなかった」
「何かが、この山に閉じ込めようとしているように感じた」
山頂で出会う"誰か"
黄泉ヶ岳の山頂には、朽ちかけた祠(ほこら)がある。
そこまでたどり着いた登山者の多くは、共通した体験を語る。
「山頂で、人ではない"何か"と出会う」
ある登山者は、こう語った。
「山頂に立った瞬間、急に背後に気配を感じた。振り返ると、そこには白い着物を着た女が立っていた」
別の登山者は、こんな話をする。
「ぼろぼろの僧侶のような男が、無言でこちらを見ていた。目が合った瞬間、頭の中に"帰るな"という声が響いた」
彼らが共通して言うのは、"その存在は、登山者が下山しようとすると消える" ということだ。
まるで、登山者が山を下りるのを見送っているかのように。
下山できるかどうかは運次第
黄泉ヶ岳から無事に帰ってこられるかどうかは、どうやら"運"によるらしい。
ある人は、何も異変を感じずに普通に下山できる。
しかし、ある人は登山道が消え、奇妙な光景を目にし、帰るのに苦労する。
だが、一つだけ確かなことがある。
「もし、山頂で"何か"と出会ったら、その登山者は二度とこの山に登ってはいけない」
地元の古老はこう言う。
「黄泉ヶ岳には、昔から"境界"がある。そこに触れてしまった者は、"こちら側"に戻れるのは一度きりだ」
もしあなたが黄泉ヶ岳を訪れ、何か奇妙なものを見たら――
決して、二度目の挑戦はしないほうがいい。
次に登ったとき、もう戻れないかもしれないから。
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