怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

見知らぬ動物 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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プロローグ

俺は動物が好きで、暇があれば近所の公園や山に行き、野生の動物を観察していた。

しかし、ある日を境に、「見たことのない動物」 を目撃するようになった。

それは猫のような、犬のような、いや、もっと違う何か。

ただひとつ言えるのは――

あれは、普通の動物ではなかった。

第一章:最初の出会い

その日、俺は仕事帰りにふと立ち寄った公園のベンチに座っていた。

夜風が心地よく、静かな時間を楽しんでいたとき、視界の隅で何かが動いた。

「猫か?」

そちらを見やると、街灯の薄明かりの下に、小さな生き物がいた。

全身が灰色の毛に覆われ、細長い尻尾がくねくねと動いている。

しかし、顔は猫というより、人間に近かった。

鼻と口は動物的なのに、目だけが異様に大きく、人間のような光を宿していた。

その瞬間、背筋がゾッとした。

「……なんだ、あれ?」

しかし、目を瞬きした一瞬の隙に、それは消えていた。

第二章:再び現れる影

それから数日後、俺はまた同じ動物を見かけた。

今度は駅前の路地裏。

ゴミ箱の陰に隠れるようにして、俺をじっと見ている。

「おい、何者だ?」

思わず声をかけたが、それはすぐに暗闇へと消えた。

しかし、奇妙なことに気づいた。

消えた方向には行き止まりの壁しかない。

「……どういうことだ?」

この日から、俺は頻繁にあの動物 を見かけるようになった。

公園、駅前、家の近く。

だが、誰に話しても、「そんな動物、見たことがない」と言われる。

第三章:異変

ある夜、寝ていると、ふと気配を感じて目を覚ました。

部屋の隅に何かいる。

月明かりに照らされたその姿は――

あの動物だった。

じっと俺を見つめ、微かに尻尾を揺らしている。

しかし、それ以上動くことはなかった。

俺は動けず、ただ見つめ返していた。

すると、ふっと影が薄れ、気がつけば何もいなくなっていた。

翌朝、枕元に灰色の毛が数本落ちていた。

第四章:動物の正体

それ以来、あの動物を見ることはなくなった。

しかし、俺の中には強烈な違和感が残っていた。

あれは一体、何だったのか?

人間でもなく、動物でもなく――

「……まるで、俺を見張っていたようだったな。」

その考えが頭をよぎったとき、ふと気づいた。

もしも俺が、"見つけてはいけないもの" を見つけたのだとしたら?

そして、それが俺に気づき、しばらく様子をうかがっていたのだとしたら?

もし、あの動物がまだどこかで俺を見ているとしたら――

次に見つけたとき、俺はどうなるのだろうか。



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