目次
奇妙なパスワードのメモ
「なあ、お前、これ見てくれよ」
そう言って、友人の田村が鞄からメモを取り出した。
そこには、何かのパスワードが書かれていた。
「……パスワード? 何のやつだ?」
「わからん。でも、親父の遺品から見つかったんだよ」
田村の父親は先月亡くなった。
遺品整理をしていると、ボロボロの封筒の中に、そのメモが入っていたという。
書かれていたのは長いランダムな英数字の羅列。
「でさ、このパスワード、何に使うものかわからんのよ」
俺はメモを覗き込みながら、妙な違和感を覚えた。
それは……裏面に何かが書かれていたことだ。
めくってみると、そこには……
お札が貼られていた。
パスワードの意味
「……これ、お札じゃねえか?」
「だろ? だから気味が悪いんだよ。しかも、剥がそうとすると……」
田村が指でめくろうとした瞬間、
バリッッ
という音がして、紙が避けた。
その途端、周囲の空気が一気に冷えた気がした。
「おい、やめとけよ」
俺が言うと、田村は気まずそうに手を止めた。
「いや、でもさ……これ、何なんだろうな?」
その夜、俺は妙な胸騒ぎがして眠れなかった。
深夜の通知
深夜2時——
スマホが突然鳴った。
画面を見ると、田村からのメッセージだった。
『おい、やばいかもしれん』
続けて送られてきたのは、奇妙な画像だった。
そこには、田村のパソコン画面が映っていた。
『UNKNOWN SERVER – ENTER PASSWORD』
という不気味なメッセージが表示されている。
そして、入力欄には、昼間のメモにあったあのパスワードがすでに打ち込まれていた。
「……田村?」
既読はつかない。
何かがおかしい——
俺は急いで田村の家に向かった。
消えた田村と部屋に残るもの
田村の家に着くと、玄関は開いていた。
「田村!」
中に入ると、リビングのパソコンがつけっぱなしだった。
しかし、田村の姿はない。
パソコン画面には、
『ACCESS GRANTED』
という文字が浮かんでいた。
さらに、机の上には……
お札が散乱していた。
そして、俺はあることに気がついた。
そのお札には、田村の名前が書かれていたのだ。
「……何だよ、これ……」
俺は背筋が凍りついた。
その瞬間——
スマホの画面に新たな通知が届いた。
差出人は田村。
しかし、そこに書かれていたのは、ただ一言。
『パスワードを知った者は、次の対象となる』
俺はスマホを握りしめ、パソコンの画面を睨んだ。
——すると、
次の入力欄に、俺の名前がゆっくりと浮かび上がった。
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