怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

撮った覚えのない写真が語る物語 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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【プロローグ】

ある日、久しぶりにパソコンのフォルダ整理をしていた。

「こんなに写真が溜まってたのか……。」

旅行先の風景、友人と食事したときの写真、昔飼っていた猫の姿——懐かしいものばかりだ。

しかし、スクロールしていくうちに、奇妙な写真が混じっていることに気がついた。

撮った覚えのない写真。

しかも、それは一枚だけではなかった。

【見覚えのない風景】

最初に見つけたのは、どこかの田舎町の写真だった。

木造の古びた駅舎、閑散とした商店街、誰もいない公園。

「こんな場所、行ったことない。」

撮影データを確認すると、5年前の日付が記されていた。

その頃の記憶をたどるが、全く思い当たる節がない。

「まあ、ネットで拾った画像が紛れ込んだのかもな。」

そう思いながらも、何となく気になり、次の写真を開いた。

【現れる「彼女」】

次の写真には、見知らぬ女性が写っていた。

白いワンピースを着た、長い黒髪の女性。

駅のホームで、どこか遠くを見つめている。

その次の写真では、彼女が商店街を歩いている。

さらに次の写真では、公園のブランコに座っている。

「……誰?」

心当たりのない女性が、写真の中で少しずつ移動している。

まるで、俺が彼女を追いかけるように撮った写真のようだった。

だが、俺にはこの場所にも、この女性にも覚えがない。

【不可解なストーリー】

写真をさらにスクロールしていくと、奇妙な法則が見えてきた。

写真は、一つの物語を描いているようだった。

① 駅に降り立つ彼女
② 商店街を歩く彼女
③ 公園のブランコで休む彼女
④ 古い木造の家に入る彼女

そして、次の写真では——

⑤ 彼女の姿が消えた、人気のない家の内部

「……なに、これ。」

背筋が冷たくなる。

まるで、彼女が消えた瞬間を記録したかのような流れだった。

【最後の一枚】

写真はまだ続いていた。

古びた家の中の写真がいくつも並んでいる。

埃をかぶったテーブル、割れた窓ガラス、散乱した家具。

そして、最後の写真を開いた瞬間——

俺は息を呑んだ。

それは、俺の手だった。

画面いっぱいに広がる、カメラを持った俺の手。

まるで俺が、その場所で撮影したかのように。

「……いや、ありえない。」

俺はこんな場所に行った記憶はない。

なのに、なぜ俺の手が写っている?

【エピローグ】

それから何日か経ち、俺はこの写真について調べることにした。

写っていた駅舎、商店街、公園。

どれも日本のどこにも存在しない、架空の風景だった。

そして、「霧ヶ丘」という名の駅が写った写真を手がかりに検索してみると——

「霧ヶ丘失踪事件」という未解決事件の記事が出てきた。

5年前、ある女性が行方不明になったという内容だった。

その記事に載っていた、失踪した女性の写真を見て、血の気が引いた。

写真の中の彼女と、まったく同じ人物だった。

なぜ俺のパソコンに、彼女の失踪を追うような写真が保存されていたのか。

それは今でも、わからない。

ただ、一つだけ確かなことがある。

——写真フォルダの中に、今も「彼女の物語」は続いている。

そして、昨日新しく追加された写真には、こう映っていた。

『誰かが、俺の部屋のドアの前に立っている姿』が。

もしあなたが、パソコンの中に撮った覚えのない写真を見つけたら——

それは、"何か"があなたを追い始めたサインかもしれない。

決して、その物語の続きを見てはいけない。



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