目次
【プロローグ】
最初の異変は、ほんの些細なものだった。
朝起きたとき、指先が痺れていた。
「寝相が悪かったのか?」
そう思い、特に気にしなかった。
しかし、その痺れは翌日も続き、次第に手首や腕に広がっていった。
「……変だな。」
仕事に集中できず、病院へ行くことにした。
【医者の診断】
診察を受けたが、医者は首をかしげた。
「神経系の異常かもしれませんが、明確な原因はわかりませんね……。」
とりあえずビタミン剤を処方され、その日は帰宅した。
だが、数日経っても症状は改善せず、さらに奇妙な変化が現れた。
【皮膚の異変】
ある朝、顔を洗おうと鏡を見ると――
腕に黒い斑点が浮かんでいた。
「……なんだこれ?」
斑点は小さなものだったが、ゆっくりと動いているように見えた。
気のせいかもしれない。
そう思いながらも、不安が募る。
翌日、その黒い斑点は増えていた。
しかも、痺れが全身に広がり始めた。
「もう一度、病院へ行こう……。」
だが、この時すでに俺は取り返しのつかない段階に入っていた。
【病院での異常】
病院へ行くと、医者は斑点を見て顔色を変えた。
「……これは、一体?」
検査のためにMRIや血液検査を受けたが、すぐには結果が出なかった。
「とにかく、しばらく様子を見ましょう。」
そう言われたが、俺の身体はどんどん蝕まれていった。
【映し出されたもの】
数日後、病院から電話があった。
「すぐに来てください。」
医者の声が、異様に緊張している。
病院へ着くと、MRIの映像を見せられた。
「これは……?」
俺の体内に、何かが蠢いている。
「この影……まるで無数の小さな何かが、体内を動き回っているように見えます。」
理解が追いつかなかった。
だが、その瞬間、俺は自分の皮膚の異変を思い出した。
「……先生、これ。」
腕の斑点を見せた。
その斑点が――
ゆっくりと動いた。
【病室での異変】
「……隔離します。」
そう言われ、俺は個室の病室に入れられた。
だが、誰も詳しい説明をしてくれない。
俺の身体の中で、一体何が起きているのか。
痺れはさらに悪化し、ついに指が動かせなくなった。
そして、ある夜――
皮膚の下で、何かが動く感覚がした。
「……やめてくれ……。」
恐る恐る腕を見下ろす。
黒い斑点が、皮膚の内側を這うように移動している。
【消えた患者】
翌朝、俺の病室には誰も来なかった。
ナースコールを押しても、音が鳴らない。
「……どういうことだ?」
異変に気づき、病室のドアを開けようとした。
しかし――
ドアの外に、大量のお札が貼られていた。
「……は?」
医者が言っていた。
「隔離します。」
だが、これはただの隔離ではない。
何かを"封じ込める"ための措置だったのではないか?
俺は、自分が何に侵されているのかも分からないまま、病室のベッドに座り続けた。
誰も迎えに来ない。
誰も話しかけてこない。
そして、俺の身体の中では――
何かが蠢き続けていた。
【エピローグ】
その病院では、ある日一人の患者が消えた。
カルテも、記録も、すべてが削除されていた。
まるで、最初からそんな患者など存在しなかったかのように。
だが、その病室の前には――
今も大量のお札が貼られている。
「ここには、絶対に近づくな。」
そう囁かれるその部屋に、何が封じられているのかは、誰にも分からない。
もし、あなたの身体に原因不明の黒い斑点が現れたら――
すぐに病院へ行け。
だが、その病院のドアにもお札が貼られていたら――
もう、手遅れだ。
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