目次
友人からの奇妙な誘い
俺の友人、佐々木はオカルトマニアだった。都市伝説や心霊スポット巡りが趣味で、「幽霊なんていない」と言いながら、誰よりも怪奇現象に興味を持っていた。
ある日、佐々木から妙な誘いがあった。
「魍魎(もうりょう)を召喚する儀式、やってみないか?」
魍魎とは、人に害を及ぼす怪異の総称。古い文献には「魂を喰らい、姿を持たぬ悪しき者」と書かれている。
もちろん俺は即答で断った。そんなもの、本当に出たらどうするんだ。
佐々木は「じゃあ、俺ひとりで試すよ」と言い、山奥の廃神社で儀式を行うと言い出した。
未読のまま消えたメッセージ
その夜、佐々木からリアルタイムで儀式の様子を報告するLINEが届いた。
佐々木:「今、神社に着いた」
佐々木:「手順通りに進める」
佐々木:「なんか、風が変だ」
佐々木:「誰かいる……?」
ここでメッセージが途絶えた。
心配になって何度も電話をかけたが、つながらない。まるで圏外にいるみたいに。
翌日、佐々木の家族から連絡が来た。
「佐々木が帰ってこないんだけど、何か知らない?」
俺は凍りついた。
監視カメラに映った"何か"
警察に捜索願が出され、俺も心当たりのある廃神社へ行くことになった。神社の鳥居は崩れかけ、境内は荒れ果てている。佐々木のスマホとリュックが落ちていたが、彼の姿はどこにもなかった。
その後、警察が近くの防犯カメラの映像を確認した。
佐々木が神社へ向かう姿は映っていた。だが、深夜2時頃、不可解なものが映っていた。
佐々木の後ろを、無数の黒い影が蠢きながら追いかけていた。
次の瞬間、カメラが一瞬ノイズに包まれ、佐々木の姿が消えた。
黒い影だけが、カメラの方をじっと見ていた。
それ以来、佐々木は見つかっていない。
残されていた"儀式の手順"
後日、佐々木の部屋を片付けていた時、彼のノートを見つけた。そこには、魍魎召喚の手順が詳細に書かれていた。
その最後のページに、赤いインクでこう書かれていた。
「呼んだら、必ず"返さなければ"ならない。さもなければ──」
返す方法は書かれていなかった。
佐々木は、呼び出した魍魎を返せなかったのだろうか。
それとも、返す前に"喰われた"のだろうか。
──今も、彼の行方はわからない。
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