怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

かくれんぼをしたのは、誰? 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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奇妙な公園

俺が小学生の頃、近所に 不思議な公園 があった。

昼間は普通の公園なのに、夕方になると 何かが違う。

空気がひんやりとして、誰もいないはずなのに 視線を感じる。

「この公園で夕方にかくれんぼをすると、いつのまにか “知らない誰か” が一緒に遊んでるらしいぞ。」

そんな噂があった。

ある日、俺たちはその噂を確かめるために、夕暮れの公園でかくれんぼをすることにした。

夕暮れのかくれんぼ

集まったのは 俺、ケンジ、ユウタ、ミキ の4人。

「よし、じゃんけんで鬼を決めるぞ!」

鬼になったのはケンジ。

「30数えたら探しに行くぞ!」

ケンジが目をつぶってカウントを始める。

俺たちはそれぞれ、思い思いの場所に隠れた。

俺は公園の奥にある すべり台の裏 に身を潜めた。

遠くからケンジの声が聞こえる。

「20…21…22…」

その時、すぐ近くから 小さな声 がした。

「ここ、見つかりにくいよね。」

驚いて横を見ると、知らない男の子 がいた。

俺と同じくらいの年齢で、白いシャツを着た短髪の少年。

「……誰?」

「かくれんぼ、楽しいね。」

彼はにこっと笑った。

「……お、おう。」

誰かの弟か、通りがかった子供が混ざったのかと思った俺は、深く考えずにじっと隠れていた。

やがてケンジが探しに来た。

「見ーつけた!」

俺は「しまった!」と思って立ち上がった。

すると、隣の少年も 同時に立ち上がった。

「わ、びっくりした!誰だよ?」

ケンジが驚く。

「お前の知り合いじゃねえの?」

「いや、知らない。」

ユウタとミキも見つかり、みんなでその少年を囲んだ。

「誰?どこから来たの?」

少年はにっこり笑った。

「次は、ぼくが鬼ね。」

そう言うと、彼は 目を閉じて数え始めた。

「1……2……3……」

「お、おい、どうする?」

「まあ…隠れるか。」

俺たちは訳が分からないまま、再び隠れた。

でも、その子は、探しに来なかった。

消えた鬼

時間が経っても、その少年は 現れなかった。

「ねぇ…もう出てもいいよね?」

「うん…もう十分だろ。」

みんなで隠れ場所から出て、公園の真ん中に集まった。

しかし、少年の姿はどこにもなかった。

「…帰ったのか?」

誰も答えられなかった。

そして、ふと気づいた。

夕方だったはずなのに、なぜか公園はすっかり夜になっていた。

時計を見ると、19時を過ぎている。

「そんなに時間、経った?」

「いや、かくれんぼ、そんなに長くしてないよな?」

不安になりながら、公園をあとにした。

あの子の名前

翌日、学校でその話をしたが、誰も知らない子だった。

「近所の子じゃないの?」

「でも、こんな田舎で知らない子って変じゃね?」

俺たちは、その少年についていろいろ調べた。

すると、ミキが図書館で 古い新聞記事 を見つけた。

『○○公園で遊んでいた少年、行方不明に』

20年前、俺たちがかくれんぼをした公園で、1人の少年が行方不明になっていた。

記事には、その子の写真が載っていた。

それは、あの 白いシャツの少年 だった。

そして、記事の最後にこう書かれていた。

「友達とかくれんぼをしていたが、鬼役の少年だけが行方不明になったという。」

俺たちは、全員 ゾッとした。

「……まさか、俺たちと遊んでいたのは……」

「……“探しに来なかった” のは、もう見つけてもらえない鬼だったから?」

以来、俺たちはその公園でかくれんぼをすることはなくなった。



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