「なあ、お前、"あの噂"知ってるか?」
友人の斉藤が、そんなことを言い出したのは大学の講義が終わった後だった。
「……どの噂?」
「知ってはいけないことを知ったら、人が消えるってやつだよ」
正直、よくある都市伝説の一つだろうと思った。
「そんなの、どこにでもある話だろ?」
俺が笑いながら流そうとすると、斉藤は妙に真剣な顔をした。
「でも、最近マジで人が消えてるらしいんだよ……それも、"何かを知った後"に」
目次
知ってしまった夜
その夜、斉藤から「ヤバいものを見つけた」と連絡が入った。
「絶対に誰にも言うなよ。でも、お前には見せておく」
そう言って送られてきたのは、一枚の画像だった。
真っ暗な部屋の中で、何かがぼんやりと浮かんでいるような、不気味な写真。
「……これ、何?」
すぐに返信を送るが、既読にならない。
そのまま、斉藤とは連絡が取れなくなった。
斉藤が消えた
翌日、斉藤は大学に来なかった。
それどころか、誰に聞いても「斉藤? 誰それ?」という反応だった。
「いや、俺の友達だろ? いつも一緒にいたじゃん!」
だが、教授までもが「そんな学生は最初からいない」と言う。
違和感を覚え、斉藤のSNSを確認しようとした。
しかし——
どこにも斉藤の痕跡がない。
メッセージ履歴も、昨日送られてきたはずの写真も、すべて消えていた。
まるで、最初から存在していなかったかのように——。
最後のメッセージ
焦りながらも、スマホを何度も確認する。
そして、一つだけ、消されていないメッセージがあった。
「見たなら、もう遅い」
その瞬間、背後から誰かの気配を感じた。
振り向くと——
そこには、"斉藤に似た何か"が立っていた。
だが、それは斉藤ではなかった。
顔が、ぼやけていた。
口元だけが微かに動き、こう囁いた。
「次は、お前の番だ」
その言葉を最後に、"それ"は消えた。
俺は、恐る恐るスマホを確認する。
そして、震えながら気づいた。
——俺の名前が、どこにもない。
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