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【恐怖体験】「日本人形と暗夜の礫(あんやのつぶて)」──それに触れた者の末路 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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奇妙な日本人形

俺の祖母の家には、古びた日本人形があった。

黒髪を綺麗に整えた、赤い着物の女の子の人形。
子供の頃から家にあったが、祖母は「触るな」と口を酸っぱくして言っていた。

「この子は大切なものだから、絶対に動かしてはいけないよ」

理由を聞いても、祖母は首を振るだけだった。

高校生になった俺は、久しぶりに祖母の家を訪れた。
懐かしい気持ちで部屋を見渡すと——

あの日本人形が消えていた。

「ばあちゃん、あの人形は?」

祖母は青ざめた顔でこう言った。

「……捨てたんだよ。悪いものを呼ぶ前にね」

その夜、祖母の家の裏庭からコツン……コツン……と、小石がぶつかるような音が聞こえ始めた。

「暗夜の礫」

翌朝、祖母が重い口を開いた。

「……あれは“暗夜の礫”を呼ぶんだよ」

「暗夜の礫?」

「真夜中に、どこからともなく小石が投げ込まれる現象だ。
最初は気にしない。でもね、だんだん石が増えていくんだ。
最後には——」

祖母はそれ以上言わなかった。

俺は半信半疑だったが、その晩、再びコツン……コツン……という音が聞こえた。

窓をそっと開けてみると——

庭に、無数の小石が転がっていた。

そして、その中央に捨てたはずの日本人形が立っていた。

人形の囁き

ゾッとして窓を閉めたが、その晩はなぜか異様なほどの悪夢にうなされた。

夢の中で——

日本人形が、ぼそぼそと何かを囁いている。

聞き取れない。だが、言葉にならない恐怖が全身を覆った。

目が覚めると、窓の外は静まり返っていた。

だが、気づいた。

畳の上に、小さな小石がひとつだけ転がっていた。

消えた日本人形

翌朝、祖母は人形を持ち出し、どこかへ出かけた。

夜になっても帰ってこなかった。

翌日、祖母は家の前で倒れているのを発見され、病院に運ばれた。
幸い、命に別状はなかったが、目を覚ますとこう言った。

「……間に合わなかった」

祖母が何をしたのかはわからない。
だが、それ以来、暗夜の礫の音はピタリと止んだ。

人形も、もうどこにもない。

ただ、それから数年後——

俺の家の玄関の前に、小さなひとつの小石が置かれているのを見つけた。

コツン……コツン……

遠くで、小石の転がる音が聞こえた気がした。



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