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【恐怖体験】「天井裏の御札を剥がしたら」──封じられていたもの

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天井裏から聞こえる音

俺の住んでいるアパートは築50年の古い建物だ。
狭いが家賃が安く、特に不満はなかった。

ただ、一つだけ気になることがあった。

夜中になると、天井裏から「カリカリ……カリカリ……」と、何かが引っかくような音が聞こえる。

最初はネズミかと思った。
だが、不思議なことに決まって深夜2時になると音が始まり、ピタリと3時に止む。

それが、毎晩繰り返された。

天井裏の「御札」

気味が悪くなり、ある日、俺は思い切って天井裏を覗くことにした。

押し入れの天井にある小さな点検口を開けると、ひんやりとした空気が流れてきた。

スマホのライトを照らすと、埃だらけの梁の上に、何かが貼られているのが見えた。

——それは、古びた「御札」だった。

「……何だ、これ?」

黄ばんだ紙には、読めない文字がびっしりと書かれていた。

「こんなのがあるから、気味が悪い音がするんだよな……」

軽い気持ちで、その御札を剥がしてしまった。

その瞬間——

「ドン!」

まるで天井の向こう側から、何かがぶつかってきた。

俺は慌てて点検口を閉め、布団を被って震えながら朝を待った。

部屋の異変

それから、部屋の様子がおかしくなった。

夜になると、天井裏の音が変わった。

「カリカリ……カリカリ……」

それだけだった音が、次第に

「ズズ……ズズ……」

何かが這いずるような音に変わった。

そしてある夜——

「ドンッ!」

突然、天井が揺れるほどの衝撃音が響いた。

俺は恐る恐る見上げた。

——点検口の蓋が、少しだけ開いている。

そこから、細長い指のようなものが覗いていた。

4. 消えた御札と「それ」

翌朝、俺は慌てて管理人に相談した。

管理人は渋い顔をしながら、こう言った。

「あの御札、剥がしちゃったのか……」

「知ってたんですか!?」

「あれは、この部屋に“入ってきちゃいけないもの”を封じてたんだよ」

管理人は古い帳簿をめくりながら言った。

「この部屋、20年前に住んでた人が天井裏で亡くなってるんだ。
でも、その遺体は“普通じゃない形”だったらしい……」

俺はゾッとした。

「あんた、すぐに引っ越した方がいい」

その夜、俺は荷造りをしていた。

しかし、ふと気づいた。

——部屋の隅に、昨日まではなかった何かの紙切れが落ちている。

拾い上げると、それは剥がした御札の半分だった。

その裏に、かすれた文字が書かれていた。

「這い出るものを封ず」

その瞬間——

「カリ……カリ……」

すぐ頭上の天井裏から、音が聞こえ始めた。

もう封印は、されていなかった。



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