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深夜のゲーム
高校の夏休み、俺と友人の タカシ、ユウヤ、ミホ の3人で集まり、肝試しに関するネットの噂を調べていた。
その中で、「幽霊の声が聞けるおまじない」 というものを見つけた。
《午前2時に、鏡の前で5回「話しかけて」と唱えると、幽霊の声が聞こえる》
「これ、本当にできるのか?」
タカシが興味を示した。
「どうせただの都市伝説だろ。」
「試してみようぜ!」
ノリで俺たちはこの おまじない をやってみることにした。
幽霊の声
俺たちはスマホの録音アプリを起動し、部屋の鏡の前に座った。
そして、全員で声を揃えて唱えた。
「話しかけて、話しかけて、話しかけて、話しかけて、話しかけて。」
一瞬の沈黙。
——何も起こらない。
「……やっぱりデマじゃね?」
「つまんねぇ。」
そう言いながら、俺たちは録音を止めようとした。
しかし、その時——
『……聞こえる?』
スピーカーから、かすれた声が流れた。
「……え?」
「お前ら、今の聞いたか?」
俺たちは顔を見合わせた。
スマホの画面を見ると、確かに 俺たちが沈黙していた時間に、誰かの声が録音されていた。
「……マジで聞こえた?」
ゾッとしながらも、タカシは興奮したように言った。
「もう一回やろうぜ!」
俺は嫌な予感がしたが、好奇心には勝てなかった。
何かが応えた
もう一度、俺たちは鏡の前で唱えた。
「話しかけて、話しかけて、話しかけて、話しかけて、話しかけて。」
今度は、すぐに声がした。
『……どこにいるの?』
低く、不気味な声だった。
「……やべぇって、これ。」
ミホが震えた声で言う。
しかし、タカシは興奮してスマホを握りしめた。
「お前、誰なんだよ? もっと話せよ!」
すると——
『お前の後ろにいるよ。』
「……っ!!」
俺たちは一斉に振り向いた。
しかし、そこには 誰もいない。
「……タカシ、もうやめよう。」
ユウヤが震えながら言った。
タカシも、さすがに青ざめた顔をしてスマホをポケットにしまった。
「……ごめん、やりすぎた。」
その日はもうそれ以上話さず、解散した。
しかし——
それが終わりではなかった。
聞こえ続ける声
翌日、タカシが学校に来なかった。
心配になって電話すると、彼は疲れ切った声で言った。
「……昨日から、ずっと聞こえるんだよ。」
「何が?」
「耳元で……話しかけて、って。」
「……嘘だろ?」
「夜中、スマホを見たら……俺が録音してないはずのファイルが増えてた。」
「再生したのか?」
「……いや。怖くてできない。」
タカシの声は、明らかにおかしかった。
「なあ……俺、どうすればいい?」
「スマホのデータ、全部消せ!」
「……でも、なんか、消せる気がしない。」
その言葉を最後に、タカシは電話を切った。
消えたタカシ
次の日、タカシは家からいなくなった。
警察に通報され、捜索願が出されたが、手がかりは何もなかった。
ただ、一つだけ奇妙なことがあった。
タカシのスマホが、自宅の鏡の前に落ちていたのだ。
警察は普通の失踪事件と判断したが、俺たちは違うと分かっていた。
……あの おまじない が原因だ。
ミホとユウヤは恐怖で泣きそうになりながら言った。
「ねぇ……タカシ、どこに行ったの?」
その時——
俺のスマホが震えた。
タカシからのメッセージだった。
『話しかけて』
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