目次
深夜の通話
その日、俺は親友の佐藤と遅くまでゲームをしていた。
「そろそろ寝るか」
そう言って通話を切ろうとしたが、佐藤が急にこう言った。
「なあ、さっきから変なノイズ入ってね?」
確かに、時々ザザッと小さな雑音が聞こえる。
「まあ、電波が悪いんじゃね?」
特に気にせず通話を終えたが、スマホの画面を見て違和感を覚えた。
——通話が切れていない。
「あれ?」
画面には、まだ通話中の表示が残っている。
佐藤が切り忘れたのかと思い、スマホを耳に当てると——
「………………」
無音。
……いや、違う。
何か、遠くで小さな呼吸音が聞こえる。
俺はゾッとして、慌てて通話を切った。
佐藤からの電話
翌朝、佐藤に「昨日の通話、切り忘れてたろ?」と話した。
すると、佐藤は怪訝そうな顔をした。
「は? 俺、お前より先に通話切ったぞ?」
「嘘つけ。俺のスマホ、ずっと通話中だったんだよ」
佐藤はスマホの履歴を確認し、顔色を変えた。
「おかしい……俺の通話履歴、お前と通話した形跡がない」
俺はスマホを確認した。
確かに、俺の通話履歴には昨夜の記録が残っている。
だが、佐藤の履歴には一切、通話した形跡がなかった。
じゃあ……俺が昨夜、話していたのは——誰だったんだ?
通話の音声データ
気味が悪くなり、スマホの録音機能を確認すると、昨夜の通話の音声データが自動保存されていた。
俺たちがゲームの話をしている会話が続き、やがて通話を切ろうとする場面に差し掛かる。
そして、佐藤が「じゃあな」と言った後——
「ザザッ……」
……通話が、まだ続いていた。
「………………」
無音の中、かすかに何かが動く音が聞こえる。
俺は震える指で音量を上げた。
その瞬間——
「こっち、見てるね……」
女の囁くような声が、はっきりと聞こえた。
俺は全力でスマホを投げた。
それは、まだ続いている
その日から、スマホの調子がおかしくなった。
・時々知らない番号に勝手に発信される
・深夜になると、画面に「通話中」と表示される(履歴には残らない)
・誰とも話していないのに、微かな呼吸音が聞こえる
そして、ある夜——
スマホの通知が鳴った。
画面には、見覚えのない番号。
それは「非通知」ではなく、俺の自宅の電話番号だった。
「……通話を開始しますか?」
俺は、通話ボタンを押せなかった。
それ以来、夜中にスマホを見るのが怖くなった。
……でも、気づいてしまった。
深夜2時になると、スマホの画面に「通話中 00:01」と表示されることがある。
履歴には何も残らない。
通話相手の名前も、表示されない。
でも、通話を切ろうとしても——
その通話は、決して切れない。
■おすすめ
マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】

ロリポップ!

ムームーサーバー

新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp


![]() | 新品価格 |

![]() |

![]() | ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ] 価格:1078円 |

