目次
序章:閉じ込められた放課後
「じゃあね、菜々子! また明日ね!」
「うん! ばいばーい!」
小学5年生の川村菜々子(かわむら・ななこ) は、友達を見送りながら 教室にひとり残っていた。
今日は掃除当番だったが、先生に頼まれて黒板消しを持ってくるよう言われていたのだ。
「えーっと、職員室前の倉庫にあるんだっけ……。」
すでに外は夕暮れ。
校舎内は人が少なくなり、不気味な静けさが漂っていた。
「早く行って帰ろう……。」
菜々子は少し緊張しながら 職員室前の倉庫へ向かった。
—— そして、この時、異変はすでに始まっていた。
第一章:倉庫の中からのノック音
職員室の前にある 用具倉庫は、古くて重い扉だった。
「ここに黒板消し……あった!」
菜々子は黒板消しを見つけ、ドアを閉めようとした瞬間——
コン……コン……
「……?」
倉庫の奥のロッカーから、小さなノック音が聞こえた。
「誰かいるの?」
返事はない。
気のせいかと思い、菜々子は早足で教室へ戻ろうとした。
—— コン……コンコン……コンコンコン……!!
突然、ノック音が激しくなった。
「ひっ……!!」
背筋が凍る。
ノックはまるで、「開けろ、開けろ」と訴えるような焦りのある音だった。
「……やだ……やだ……!」
菜々子は泣きそうになりながら、倉庫の扉を閉め、教室へと急いだ。
だが、階段を上がる途中——
コンコンコンコンコン!!
今度は、後ろから廊下の壁を叩くような音が響いた。
「誰……誰かいるの!?」
必死に後ろを振り向いたが、そこには 誰もいなかった。
第二章:教室のノック音
菜々子はなんとか教室まで戻り、黒板消しを黒板の上に置いた。
「……気のせいだよね……。」
深呼吸をして帰ろうとしたその瞬間——
—— コン……コン……コン……
「……っ!!」
今度は教室のドアからノック音が聞こえた。
「誰……?」
菜々子は恐る恐るドアを開けた。
しかし、そこには誰もいなかった。
「……帰ろう……。」
菜々子はすぐにランドセルを背負い、教室を出ようとした。
—— コンコンコンコンコンコンコンコン!!
今度は異常な速さのノック音。
しかも、教室の後ろの窓から聞こえる。
「うそ……」
恐る恐る窓を見ると——
誰もいないはずの外から、白い手が窓を激しく叩いていた。
「ぎゃあああああ!!」
菜々子は叫びながら教室を飛び出した。
第三章:誰も知らない話
必死に階段を駆け下り、下駄箱へと向かう。
「早く帰らなきゃ……早く……!」
靴を履き替えて外へ飛び出そうとしたその瞬間——
—— コンコンコンコンコンコン!!
今度は、校門の外から激しいノック音が鳴り響いた。
「もうやだぁぁぁ!!」
菜々子は泣きながら、靴を履き替えずに校舎から飛び出し、自宅まで走り続けた。
エピローグ:ノック音の正体
翌日。
菜々子は学校へ行きたくなかったが、親に無理やり登校させられた。
「昨日のこと……先生に言おう……。」
菜々子は担任の先生に昨日のことを話した。
「倉庫の中からノック音がして、帰ろうとしたら窓までノックされて……!」
先生は怪訝な顔をして言った。
「菜々子さん……職員室前の倉庫は、去年から鍵が壊れて開かないはずですよ。」
「え……?」
「それに、窓の外で誰かがノックするのもおかしいですね……。」
「でも……昨日、私……!!」
菜々子は泣きそうになりながら訴えた。
その時——
コン……コン……
教室の窓から、また軽いノック音が聞こえた。
「……あ……」
菜々子が振り向くと、窓の外には誰もいなかった。
だが、窓ガラスには小さな白い手の跡だけが、くっきりと残されていたという。
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