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並ぶ白い影——最後の列に加わる者 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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深夜2時、タクシーの運転手をしている俺は、郊外の山道を走っていた。

街灯もほとんどなく、視界は悪い。

人気のないこの道には、昔から奇妙な噂があった。

「夜中に通ると、白い影が並んでいる」

「まあ、どうせ都市伝説だろうな」

そう思いながらカーブを曲がった瞬間、俺はブレーキを踏んだ。

「……あれは、なんだ?」

道路の端に、白い人影が並んでいた。

並ぶ白い影

20メートルほど先の道路脇。

白い服を着た人影が、列を作ってじっと立っている。

10人くらいいるだろうか。

それぞれが微動だにせず、こちらに背を向けている。

「……深夜の登山客?」

そう思いながらも、何かがおかしいと感じた。

全員、同じ高さに頭が揃っている。

子供も老人もいない。

それに、どこか透明がかっているようにも見えた。

背筋に冷たいものが走る。

「……まずいな」

直感的に関わってはいけないと悟った俺は、ゆっくりとアクセルを踏み、慎重に彼らの横を通り過ぎた。

絶対に目を合わせるな。

そう思いながら、影の列を横目に進む。

……しかし。

「あれ?」

列の最後尾が近づいた時、俺はある異変に気づいた。

影が、一つ増えている。

たった今までは10人だったのに、11人目が増えていた。

しかも——

その影は、俺の顔をじっと見ていた。

すれ違ったあと

ゾクリとした。

どうして、こいつだけ俺を見ている?

「……関わるな、関わるな……」

必死に意識を逸らし、影たちを通り過ぎる。

そして、列の先頭が見えた時——

「っ……!!」

俺は、言葉を失った。

一番先頭に立っていたのは"運転手の制服"を着た男だった。

その男はゆっくりと振り向き、俺を見た。

そして、口元だけを動かして何かを言った。

「次は……お前の番だ」

その瞬間、タクシーのエンジンが勝手に止まった。

——ピタリ。

暗闇の中、俺の車は静かにその場で止まる。

「……やばい」

動かないハンドルを必死に回し、エンジンを再始動させようとする。

カチッ、カチッ……

……だが、かからない。

そして——

車の窓の外、白い影がゆっくりと振り向いた。

次の列に加わる者

その瞬間、エンジンがかかった。

「っ!!」

俺は一気にアクセルを踏み、影の列から逃げた。

振り返らないように必死に車を走らせる。

何度もルームミラーを見てしまいそうになるが、絶対に見てはいけない気がした。

そして、やっと街の灯りが見えてきた頃——

恐る恐るルームミラーを見た。

そこには、俺の後部座席に——

白い服を着た"11人目"が座っていた。



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