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【恐怖体験】「鍵の合わない家」──ここは、本当に自分の世界か? 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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帰宅したら鍵が合わない

その日は仕事が長引き、家に着いたのは夜の11時過ぎだった。

疲れた体を引きずりながら、いつものようにアパートの玄関の前に立ち、ポケットから鍵を取り出す。

「……あれ?」

鍵が入らない。

もう一度試す。

カチャカチャ……

……入らない。

「え、なんで?」

鍵をよく見ても、間違いなく自分の家の鍵だった。

鍵穴を覗くが、特に変わった様子はない。

「まさか鍵穴が壊れた……?」

そう思いながらドアノブを回すと、すんなり開いた。

「……え?」

鍵を開けていないのに、ドアが開く?

不安になりながら、部屋の中へ入った。

何かがおかしい

部屋は普段と変わらないように見えた。

だが、靴を脱ごうとしたとき——ふと、異変に気づいた。

玄関のマットが違う。

自分の部屋には黒いシンプルなマットを敷いていたはずなのに、目の前にあるのは花柄のマットだった。

「……俺、こんなの買ったっけ?」

違和感を覚えつつも、リビングへ向かう。

部屋の電気をつけた瞬間、さらに異様なことに気づいた。

家具の配置が少し違う。

テレビの位置、ソファの角度、置いてある雑誌の並び方……すべてが微妙に違っている。

「なんだよこれ……」

まるで、そっくりな別の部屋に入り込んだような感覚だった。

知らない家の住人

「さすがにおかしい」

俺は玄関へ戻り、部屋の番号を確認した。

【202号室】

間違いない。

ここは、俺の部屋だ。

なのに、どこか違う。

気味が悪くなり、立ち去ろうとしたその時——

「ガチャ……」

玄関のドアが開いた。

「……え?」

俺は息を呑んだ。

そこに立っていたのは、見知らぬ男だった。

俺と同じ年齢くらいの男。

男は驚いた顔で、こう言った。

「お前……誰だ?」

俺は言葉を失った。

ここは俺の部屋のはずなのに——。

「……いや、お前こそ誰だよ?」

すると男は、俺を見てゾッとした表情を浮かべた。

「……おかしいな……今夜、帰ってくるのは俺のはずなのに」

その言葉を聞いた瞬間、背筋が凍った。

俺の足元には、知らない花柄のマットがあった。

ソファには、知らない雑誌が置かれていた。

そして、玄関には——

俺の持っているものとまったく同じ鍵が、もう一本転がっていた。

「……ここ、どこなんだ?」

その時、スマホの画面に通知が表示された。

日付:2022年11月31日

「……そんな日付、存在しないはずだろ?」

俺は急いで部屋を飛び出した。

振り返ると、男はじっとこちらを見つめていた。

戻ってこられたのか?

階段を駆け下り、アパートの外に飛び出す。

周囲を見回すと、見慣れた街並みが広がっていた。

ホッとして、再びアパートの入り口に戻る。

今度こそ、自分の部屋に帰るために——。

だが、違和感に気づいた。

郵便受けの表札に書かれていた名前——

「202号室 佐藤誠」

……俺の名前ではなかった。

この世界は、本当に元の世界なのか?

それとも、俺はまだ——

「異なる部屋」に迷い込んでいるのかもしれない。



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