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【恐怖体験】「群霊の本」──読んだ者は、夢の中で囚われる 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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奇妙な古本

俺の趣味は古本屋巡りだ。
特に、誰も知らないような怪奇系の書物を探すのが好きだった。

ある日、駅前の古びた古書店で、一冊の本を見つけた。

表紙にはタイトルもなく、ただ黒い布のような質感のカバーがかかっている。
手に取ると、埃っぽい匂いが鼻をついた。

本の最初のページには、こう書かれていた。

「読了後、悪夢を見ることを覚悟せよ」

……いかにも、胡散臭い文言だ。

俺は興味本位で、その本を買って帰った。

それが、間違いだった。

群霊の記録

夜、ベッドに横になりながら本を読み始めた。

内容は、「群霊」と呼ばれる存在についての記録だった。

群霊とは、死んだ者たちの魂が集合し、一つの意志を持つようになった存在らしい。
個々の霊とは異なり、集団で動き、時に人間を飲み込むという。

「群霊に囚われた者は、夢の中で繰り返し同じ悪夢を見る。
そして、ついには夢から目覚めることができなくなる」

読んでいるうちに、俺はなんとなく気味が悪くなってきた。

「……こんな本、読まなきゃよかったか?」

そう思いながら、最後のページをめくった。

すると、そこには——

「あなたは、今、群霊に見つかりました」

意味がわからず、ページをめくる。

しかし、そこにはもう何も書かれていなかった。

嫌な気分のまま、本を閉じた。

夢の中の群霊

その夜——俺は悪夢を見た。

夢の中で、俺は見知らぬ暗い道を歩いていた。

霧が立ち込め、あたりは静まり返っている。

「……ここ、どこだ?」

辺りを見回した瞬間、ぞっとした。

霧の中に、無数の人影が立っていた。

ぼんやりとした影が、じっとこちらを見つめている。

そして、ゆっくりと近づいてくる。

「ザザ……ザザ……」

足音が響く。

俺は恐怖で後ずさった。

「な、なんだよ……」

次の瞬間、群霊たちが一斉に口を開いた。

「お前も……こちらへ来い……」

俺は絶叫し、走り出した。

だが、どれだけ走っても、道はどこまでも続いている。

そして——

後ろを振り返ると、群霊がさらに増えていた。

夢から覚めない

ハッとして目を覚ました。

「……夢、か?」

全身が汗でびっしょりだった。

時計を見ると、午前3時。

心臓がバクバクしている。

「クソ、変な夢だった……」

俺は冷たい水を飲み、再び眠ろうとした。

——その瞬間、気づいてしまった。

俺の枕元に、あの本が開かれたまま置かれている。

そんなはずはない。ベッドの横の本棚にしまったはずだ。

不安になり、本を閉じて再び寝ようとした。

しかし——

また、同じ夢を見た。

暗い道、霧、そして増え続ける群霊。

俺は逃げた。

だが、何度目を覚ましても、また同じ夢の場所に戻ってしまう。

「……起きれない……?」

俺は、もう何回この夢を繰り返しているのかわからなかった。

現実に戻れたのか?

気づくと、俺は朝を迎えていた。

「……夢から出られた?」

恐る恐る部屋を見回す。

本は、机の上に閉じたまま置かれていた。

「ああ、よかった……」

安堵し、深く息を吐いた。

だが、スマホを見ると、異変に気づいた。

日付が——

「1週間前」になっていた。

「……え?」

カレンダーを確認すると、やはり1週間前の日付を示している。

「俺……目覚めてないのか?」

それとも、今も——

まだ夢の中にいるのか?

群霊の本を読んだ者は、夢の中で囚われるという。

もしこれが夢だとしたら、俺はもう現実には戻れないのかもしれない。



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