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【恐怖体験】「火事の跡に立つ群霊」──焼け跡で見たもの 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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立入禁止の焼け跡

俺が地元に帰省していたとき、幼馴染の村上からこんな話を聞いた。

「なあ、○○町の空き地、今も夜になると“人影”が見えるらしいぞ」

「……あそこって、昔、火事で焼けたとこだよな?」

「そう。5年前にボヤ騒ぎがあったんだけどさ……実はあの火事、ただの事故じゃなかったらしい」

村上の話によると、5年前、そこには古いアパートが建っていた。
そのアパートで火災が発生し、住人の多くが焼死したという。

しかし、火事の原因ははっきりせず、住人のうち何人が亡くなったのかすら不明らしい。

さらに奇妙なことに、火事の跡地はすぐに更地にされたものの、その後、何を建ててもすぐに取り壊されるという。

「それって、何か出るってことか?」

村上は苦笑しながら言った。

「まあ、地元じゃ“群霊の土地”って呼ばれてるけどな」

群霊。
大勢の死者の霊が一つにまとまり、強い怨念を持つ存在——。

「……お前、行ってみるか?」

村上の言葉に、俺は軽くうなずいてしまった。

その夜、俺たちは火事の跡地に足を踏み入れた。

焼け跡の異変

夜10時過ぎ、俺たちはその空き地に到着した。

草が生い茂り、ところどころに黒ずんだ焦げ跡が残っている。

懐中電灯を照らしながら歩くと、何かが足元で軋む音がした。

「パキ……」

「……木片?」

よく見ると、それは焼け焦げた板だった。

「……ねえ」

背後で、誰かが囁いた。

俺たちは息を呑み、一斉に後ろを振り向いた。

——だが、誰もいない。

「おい、今聞こえたよな?」

村上が青ざめた顔でうなずく。

その時——

「ザッ……ザッ……ザッ……」

暗闇の中で、無数の足音が響き始めた。

遠くから、何かがこちらに近づいてくる。

群霊の姿

俺たちは恐る恐る足音の方向を懐中電灯で照らした。

——そして、見た。

霧のように揺れる空気の中、無数の人影が立っていた。

顔は焦げ付き、体は黒く崩れかけている。
服は焼けただれ、皮膚が剥がれた者もいる。

しかし、それより恐ろしいのは——

全員が、口を大きく開けて笑っていることだった。

「……見つけた……」

声が、頭の中に直接響く。

俺たちは悲鳴を上げ、全力で空き地を走り抜けた。

だが、出口に向かう途中、ふと違和感を覚えた。

——地面が、やけに熱い。

いや、それだけじゃない。

足元から、黒い煙が立ち上っていた。

「……これ、火事のときの……?」

その瞬間、村上が叫んだ。

「やばい、ここ、火事の時のままなんだよ!!」

足元の地面が、急に崩れ始める。

辺りにパチパチと燃える音が響く。

気づくと、周囲は炎に包まれていた。

——いや、違う。

これは、俺たちが見ている幻覚なのか?

それとも、5年前の火事が、今もこの場所で燃え続けているのか?

火の中の手

「逃げろ!!」

俺たちは転びそうになりながら必死に走った。

しかし、炎の中から、無数の手が伸びてくる。

焼け焦げた腕が、俺たちの足を掴もうとする。

「助けて……助けて……」

——違う。

「ここに来て」

奴らは、助けを求めているのではない。

俺たちを、この炎の中に引きずり込もうとしている。

俺は村上の腕を掴み、振り払うようにして空き地から飛び出した。

その瞬間——

「ザッ……」

音が、ピタリと止んだ。

振り返ると、そこには何もなかった。

焼け跡の空き地は、ただ静かに広がっているだけだった。

「……今の、なんだったんだ?」

村上は震えながら呟いた。

まだ燃え続けている

翌日、俺はあの空き地について詳しく調べた。

すると、衝撃的な事実がわかった。

あの火事で亡くなった住人の数は——未だに正式に判明していないという。

火事が収まった後も、なぜか遺体が見つからなかった住人がいるらしい。

そして、ある古い記事にはこう書かれていた。

「火は消えていない。
彼らは今も炎の中にいる。
そして、新しい住人を迎え入れようとしている。」

俺は恐怖に震えた。

もし、俺たちがもう少しあそこにいたら——

群霊に引き込まれ、この世から消えていたのかもしれない。

そして、それ以来——

夜になると、火事の跡地から焦げた臭いが漂ってくる。

まるで、まだ何かが燃え続けているかのように。



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