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【山奥の小屋】一度入ったら戻れない場所 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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序章:地図にない小屋

「なあ……こんな場所、地図に載ってなかったよな?」

大学の登山サークルに所属する 高橋悠真(たかはし・ゆうま) は、仲間の 佐藤啓太(さとう・けいた) と共に、山奥で道に迷っていた。

スマホのGPSは圏外。
地図を見ても、現在地の確認すらできない。

「ヤバいな……遭難か?」

日が沈みかけ、辺りは薄暗くなっていた。

そんな時、木々の間にぽつんと建つ古い小屋を見つけた。

「……助かった。あそこで一晩過ごせるかも。」

二人は迷わず小屋へ向かった。

しかし、悠真は妙な違和感を覚えた。

——こんな人気のない山奥に、なぜ小屋が?

第一章:誰かが住んでいる?

小屋の扉を押すと、ギィ……と鈍い音を立てて開いた。

中は意外にも生活感があった。

・埃は積もっているが、テーブルには食器が並んでいる。
・隅には布団が敷かれ、まるで今でも誰かが使っているかのよう。
・壁には、色あせた写真が貼られている。

「……誰か住んでるのか?」

「こんな山奥に?」

不安を感じながらも、夜は外よりも安全だろうと判断し、二人は小屋で休むことにした。

しかし、悠真はどうしても気になっていた。

写真の中の人々——

全員がこちらを見つめているように感じたのだ。

第二章:深夜の訪問者

深夜、悠真は妙な音で目を覚ました。

ギィ……ギィ……

「……?」

扉の外で、何かが揺れる音がする。

起き上がり、窓からそっと外を見ると——

誰かが小屋の前に立っていた。

「け、啓太……!!」

隣の啓太を揺り起こすが、彼はぐっすり眠っている。

窓越しに目を凝らすと、暗闇の中で白い服を着た女が、じっとこちらを見上げていた。

その瞬間——

ギィ……ギィ……ギィ……

扉のノブがゆっくりと回り始めた。

第三章:戻れない小屋

悠真は凍りつき、全力で啓太を揺さぶった。

「起きろ!! 誰かいる!!」

啓太が目を覚ました瞬間——

バタンッ!!

扉が勢いよく開いた。

しかし——

そこには誰もいなかった。

「……気のせいだった?」

「いや、確かに……。」

その時、異変に気づいた。

壁の写真が変わっている。

昨日見た時は、知らない人々の写真だったはず。

しかし——

そこには、悠真と啓太が写っていた。

「……いつ撮られた……?」

そして、写真の中の二人は、今まさに振り向こうとしていた。



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