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【恐怖体験】「ぼろきれの中の顔」──捨てても、また戻る 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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廃墟のぼろきれ

大学の肝試し企画で、俺と友人の田中、村上、翔太の3人は郊外の廃墟に向かった。

そこは昔、廃工場だったらしいが、今は朽ち果てたコンクリートの壁と錆びた鉄骨が残るだけ。

「うわ、マジで雰囲気あるな……」

「大丈夫か? これ、崩れたりしねえよな?」

そんな話をしながら中に入ると、床には古びたぼろきれがいくつも落ちていた。

まるで、誰かが何かを包んでいたような形のまま、ポツン、ポツンと点在している。

「なんか気味悪いな……」

翔太がそう言いながら、ぼろきれを一つ蹴った。

すると——

「カサ……」

「……え?」

ぼろきれの下から、何かが動いた。

俺たちは息を呑んだ。

「……ネズミか?」

村上が恐る恐るぼろきれをめくった。

その瞬間——

「うわっ!!」

村上が後ずさった。

俺たちはぼろきれの下を覗き込んで、凍りついた。

——そこには、人間の顔があった。

ぼろきれの中の顔

しかし、その顔は生気のない作り物のようだった。

肌は乾ききり、まるで干からびたマスクのような質感。

目の部分は黒く窪んでいて、口は半開きのまま動かない。

「……な、なんだよこれ」

「マネキンか?」

そう思った瞬間——

「カサ……」

その顔が、微かに動いた。

「やばい!!」

俺たちは悲鳴を上げ、廃墟から一目散に逃げ出した。

だが、外に出た時、俺は何気なく手を見て青ざめた。

——指先に、あのぼろきれの一部が絡みついていた。

ぼろきれが戻ってくる

それから数日後、俺は自室で異変に気づいた。

ベッドの足元に、あのぼろきれが落ちていた。

「……なんで?」

確かに、あの時すぐに手から振り払ったはず。

俺は不安になりながらも、それをゴミ箱に捨てた。

だが——翌朝。

また、ベッドの足元にぼろきれがあった。

「嘘だろ……?」

俺はぼろきれを掴み、今度はコンビニのゴミ箱に捨てた。

これで終わるはずだった。

しかし、その夜——

ぼろきれは、また俺の部屋に戻っていた。

「……やめてくれよ……」

恐怖で震えながら、それを燃やすことにした。

ライターを手に取り、ぼろきれに火を近づけた瞬間——

「やめて……」

耳元で、かすかな声が聞こえた。

俺は叫び声を上げ、ぼろきれを床に叩きつけた。

その瞬間、ぼろきれがゆっくりと広がり——

干からびた顔が、ゆっくりとこちらを見た。

「……お前の番……」

俺は意識が遠のくのを感じた。

消えたぼろきれ、変わった自分

翌朝、俺はベッドの上で目を覚ました。

ぼろきれは、どこにもなかった。

「……夢だったのか?」

ほっとして鏡を見ると、俺は絶叫した。

自分の顔が、乾いていた。

肌はひび割れ、目は黒く窪み、口は半開きのまま動かない。

——俺は、ぼろきれの顔と同じになっていた。



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