怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

立入禁止の先にあるもの 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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廃墟の立入禁止区域

大学の友人 タカシ と マサキ で、心霊スポット巡りをしていた俺は、ある夜、地元の廃墟へと足を運んだ。

そこは昔、病院だった場所らしいが、今はすっかり荒れ果てている。

入り口には「立入禁止」の看板が立っていたが、俺たちは気にせず中へ入った。

「立入禁止って書いてあると、逆に入りたくなるよな。」

「まぁ、幽霊が出るって噂のある場所だしな。」

懐中電灯を片手に、俺たちは廃墟の奥へと進んでいった。

しかし、その時——

妙な違和感に気づいた。

「おい……この廃墟、誰か住んでるのか?」

廃墟にしては妙に床が綺麗だったのだ。

埃まみれのはずなのに、一部の廊下だけ足跡ひとつなく整然としている。

「気味悪いな……」

さらに進むと、奥の扉には大きく「立入禁止」の札が貼られていた。

「……ここだけ厳重だな。」

錆びついた南京錠がかかっていたが、よく見ると壊れている。

「開いてるじゃん。入ってみるか?」

「やめとけって……」

マサキが嫌がったが、俺とタカシは興味本位で扉を開けた。

そして、俺たちは——

見てはいけないものを見てしまった。

立入禁止の部屋

中は異様な空気だった。

真っ暗な部屋の中央に、古びた手術台のようなものが置かれていた。

その周りには、何かを囲むように車椅子が並んでいる。

「……これ、なんだよ。」

タカシが懐中電灯で照らすと、俺たちは息をのんだ。

車椅子の上に、人が座っていた。

「うわっ……!!」

しかし、よく見ると——

それは、全身が黒ずんだマネキンだった。

人間そっくりのマネキンが、十体以上、車椅子に座っている。

「気味悪すぎる……」

マサキが震えた声を出す。

だが、その瞬間——

カタ……カタ……

どこからか音が聞こえた。

俺たちは息をのんだ。

マネキンの一体が、わずかに揺れている。

「……おい、今動いたか?」

「出よう!! こんなとこヤバい!!」

俺たちは慌てて部屋を出ようとした。

だが——

バタン!!

扉が勝手に閉まった。

出られない

「嘘だろ!? 開かねぇ!!」

俺たちは必死に扉を開けようとした。

しかし、どれだけ力を入れてもびくともしない。

その時、背後から——

「……誰が、入っていいと言った?」

低くかすれた声が聞こえた。

「……誰だよ!!」

恐る恐る振り向くと——

マネキンたちが、全員こちらを向いていた。

「……ッ!!!」

さっきまで前を向いていたはずなのに、全てのマネキンの顔がこっちを見ている。

目がないはずの顔が、じっと俺たちを見つめている。

「開けろ!! 開けてくれ!!!」

俺たちは必死に扉を叩いた。

すると——

スッ……

扉が、勝手に開いた。

そして、また立入禁止に……

俺たちは転がるように廊下に飛び出した。

「逃げるぞ!!」

マサキが叫び、俺たちは一目散に廃墟を飛び出した。

外の空気を吸い、ようやく安堵する。

「……なんだったんだよ、あれ。」

「知らねぇよ……でも、もう絶対に行かねぇ……」

俺たちは二度とそこに近づかないと誓った。

翌日、ニュースを見て、俺たちは震えた。

『○○病院の廃墟、昨夜火災で全焼。』

「……昨日のあそこ、だよな?」

「まさか……俺たちが逃げたあと、燃えたのか?」

そして、ニュース映像に映った廃墟の入り口には、昨日はなかったはずの札がかかっていた。

それには、こう書かれていた。

『ここは、決して入ってはいけない。』



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