俺の地元には、絶対に入ってはいけない場所がある。
それは、町外れの森の奥にある「旧トンネル」だ。
今では新しい道路が作られ、使われなくなったトンネルだが、入り口には大きな看板が立っている。
「立入禁止」
——だが、それだけではない。
「この先に入った者は、決して振り向くな」
そんな不気味な警告が書かれているのだ。
「都市伝説みたいなもんだろ?」
そう思った俺と友人の中村は、好奇心に負け、そのトンネルへ足を踏み入れてしまった。
そして——俺たちは、"それ"を見てしまった。
目次
立入禁止の理由
トンネルの入り口は、朽ちたフェンスで塞がれていたが、隙間から簡単に中へ入ることができた。
「……うわ、思ったより長いな」
懐中電灯で照らすと、内部は湿気とカビの臭いが充満していた。
壁にはひび割れが走り、天井からは水滴が落ちている。
そして、奥にはぼんやりとした"影"が見えた。
「……え?」
誰かいるのか? そう思った瞬間——
影が、異様な速さでこちらに向かってきた。
決して振り向くな
「逃げろ!!」
俺たちは反射的に出口へと駆け出した。
だが、その途中で——
「……おい、中村?」
友人の足が止まった。
「なんだよ、どうした!?」
「……後ろで、誰かが呼んでる」
「振り向くな!!」
俺は叫んだ。
だが——
中村は、ゆっくりと振り向いてしまった。
その瞬間、彼の顔が真っ青になった。
「……あ……」
そして、次の瞬間——
中村の姿が、スッと消えた。
まるで、最初からそこにいなかったかのように。
消えた友人
必死に走り、俺はなんとか外へ飛び出した。
だが、中村はもういない。
スマホで何度も電話をかけたが、つながらない。
翌日、警察に相談したが——
「中村? だれだい、それは?」
俺の周りの人間は、誰一人として中村の存在を覚えていなかった。
そして俺は気づいた。
スマホの写真フォルダに、昨日のトンネルの写真が残っていた。
そこには——
俺の隣に立つ、中村の姿があった。
ただし——
顔だけが、異様に黒く塗りつぶされていた。
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